Rising Academy powered by オプト

丸亀製麺・味の素冷凍食品と考える「AI時代のマーケター評価」 第3期ライジングアカデミー 派遣責任者の会を開催

 

マーケターの評価は、なぜ難しいのか


 日本最高峰のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ」などを手がけるナノベーションは、マーケティング支援を担うオプトの特別協賛のもとで、若手マーケター育成プログラム「Rising Academy powered by オプト」(第3期ライジングアカデミー)を実施している。

 8月6日、受講生を推薦する「派遣責任者」を対象としたイベントが開催され、今期の取り組みを報告するとともに、「AI時代のマーケター評価を考える─ 求める人材像と指標・制度の新常識」をテーマとした特別セッションが行われた。

 セッションには、丸亀製麺 執行役員 兼 マーケティング本部長の江田壮寿氏、味の素冷凍食品 執行役員 DX戦略推進部長の道祖土征紀氏が登壇。各社の現在の取り組みを紹介しながら、現在直面している課題、今後に向けて改善していきたいポイントなどを議論した。

【第3期ライジングアカデミー】 公式サイトはこちら

 
マーケターの評価について直面している課題について、江田氏は「マーケティングが売上にどこまで貢献したのかを明確に切り分けて評価することが難しい」と話した。マーケティングミックスモデリング(MMM)などを活用して可視化を試みているものの、売上は商品力や天候をはじめとする多様な要因の影響を受けるため、マーケティング単独の貢献度を正確に測ることは容易ではない。

 さらに、マーケティング本部には中途入社者が多く、メンバーごとのケイパビリティに幅があることも、評価を難しくする要因のひとつだと説明した。

 道祖土氏は、味の素冷凍食品では、マーケター一人ひとりがブランドマネージャーとしてP/Lに責任を負う体制を採っているため、業績がマーケター自身の力量によるものなのか、それともバリューチェーンを構成する他部門の貢献によるものなのかを明確に切り分けて評価することは難しいと話す。

 また、成果の大きさだけで評価するのではなく、「施策が計画通りに遂行されたか」という観点も重要だと指摘。その意味では、想定を大きく上回った「予期せぬ大ヒット」と「大失敗」は、いずれも計画と実績に乖離が生じたという点で、同様に厳しく評価すべきとの考えを示した。
    
登壇した江田壮寿氏(丸亀製麺)
 

AI時代のマーケター評価はどうあるべきか


 道祖土氏は、AIの進化も背景に課題解決の手段が均質化していく中では「どんな問いを立てるか」が差を生むとし、合わせて解決策を実行しきる力も評価したいと語った。また、AI活用が進むほど、「成果に至った理由を本人が説明できるかどうか」が再現性のカギになるとし、プロセス評価の比重を高めていく必要性に言及した。

 江田氏は、AIの活用でリサーチや資料作成の負担が減っていく分、仮説をもって推進できる人材への評価がより高まっていくとの見方を示した。また、中途入社者が多い組織だからこそ、評価においても「食の感動で、この星を満たせ。」というスローガンを拠り所とし、週次の全体朝礼などで目線合わせを行っているという。

    
登壇した道祖土征紀氏(味の素冷凍食品)
  
 マーケターの評価について今後見直しが必要になるポイントについて、江田氏は「企画などのアウトプットがAIに代替される分、何を選び、何を資産として積み上げるかという判断力が、より重視すべき能力になるのでは」との考えを示した。

 道祖土氏は、顧客の多様化が進む中でマーケター一人の知恵には限界があるとし、「メンバーの知恵を引き出すファシリテーション力や、メンバーをまとめ上げてプロジェクトを推進するリーダーシップを評価項目に組み込む必要があるのでは」と指摘した。

 両氏に共通していたのは、AI時代ならではの新しい指標が必要というより、問いを立てる力や推進力といった基礎的なビジネススキルの重要性がより増しており、それを適切に育成・評価する仕組みの整備が必要という認識だった。

 セッション後の懇親会では、派遣責任者同士による積極的な情報交換が行われた。
    
味の素冷凍食品 道祖土征紀氏(左) 、丸亀製麺 江田壮寿氏(右)

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