CESレポート #01

ここを押さえよう!CES2019チェックポイント【電通 森直樹】

 あと数日で2018年も終わり。大晦日、正月を過ぎたらやってくるのが、世界最大規模で展開されるテクノロジーの祭典「CES」。米国ラスベガスで1月8日から11日まで開催されます。

 そこで、CESを8年間に渡って取材し続けてきた筆者が、来年注目しているポイントを中心に「CESの歩き方」を解説します。
 

CESとは何か?

 CESは、毎年1月に米国・ラスベガスのコンベンションセンターを中心に、街全体で行われるテクノロジーの祭典です。4000を超える出展企業、150カ国から18万人を超える来場者が訪問する“超大規模な”カンファレンスです。

 かつては“家電ショー”と言われておりましたが、2016年に主催団体の名称もCEA(Consumer Electronics Association・全米家電協会)から、CTA(Consumer Technology Association・全米民生技術協会)へと変更され、これまで略称として使われていた「CES」が正式名称となりました。

 家電イメージから、より一層テクノロジー色を強めています。ちなみにメディア向けに告知されている取材ガイドラインにも「Consumer Electronics Show(コンシュマー・エレクトロニック・ショー)」はNGで、CESとのみ記載するよう指導しています。

 まずは、来年2019年の見どころを考える前に「CES 2018」を振り返っておきましょう。今年のCESで思い浮かぶのは「Google Assistant VS Amazon Alexa」です。日本でも身近になりつつある音声対話スピーカーをはじめ、家電、自動車、様々なIoT機器、そしてロボットに音声アシスタントが搭載され、新しい顧客体験が提案されていました。さらに、中国勢のBaiduも大きく出展していました。来年のCESで、音声アシスタントがどのような発展を見せるのか、筆者は関心を持っています。



 音声アシスタントと並んで存在感を出しいていたのが、自動車でした。年々、自動車は存在感を出し続けているのですが、今年はプレス向けのカンファレンスからトヨタの豊田章男社長によるe-PALET構想の発表、中国の電気自動車メーカーBytonのお披露目などが大きな目玉になっていました。コネクテッドカーや、家電や都市と自動車の連携などのセッション、展示が目白押しで、間違いなくテクノロジー業界の関心が自動車に向いていることが伺えました。
 

気になる5G、MaaS動向。2019年の主役に?

 来年のCESは、何が見どころですか?

 年末になると、社内の仲間やお客さまから、よく質問されます。この記事も「来年の注目は何ですか?ぜひともよろしく!」と依頼されているのですが、この問いはとても難しく、あくまで筆者の想像という前提でお話しましょう。

 まずは「5G」関連です。CESでも5Gについて年々、取り扱いが大きくなっています。米通信大手会社AT&Tは、米国都市で稼働が開始したことをアナウンスするなど、2019年はさらに大きなテーマになると筆者は予測しています。

 もうひとつ気になるのが、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)関連です。冒頭に触れましたが、今年はトヨタ自動車が記者発表でe-Palet構想を発表して大きく注目を集めました。さらに、フォードによる基調講演の主要テーマは、スマートシティと自動車の関係でした。コネクテッドカーや自動運転などテクノロジー自体よりは、それらを活用したサービスとそれに伴う生活やビジネス、エコシステムがクローズアップされています。



 それ以外には、ロボットやスマートヘルス、Baiduなど中国の巨大なテクノロジー企業の動向や変化が気になるところです。

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