CESレポート #03
人を察知するAIの登場、CESが指し示した「スマート家電」の明るい未来【電通 若園祐作】
安定期に入りつつあるスマートホーム家電
先ほどは既存の音声アシスタントの弱点を示しましたが、もちろんうまく使えば音声アシスタントは非常に便利です。スマートホーム家電は、こういったAIの連携先、あるいは出口としての面が数年前より色濃くなってきています。LG、Samsungだけでなく、白物家電のWhirlpoolや水回り製品のKOHLERなど様々な企業が自社サービスに加えてAmazon AlexaやGoogle Assistantに対応した製品を昨年以上に展示していました。日本ではまだ実感しづらくはありますが、米国では既に数年前から家電量販店の少なくないスペースをスマートホーム家電が占めるほどに消費者の認知と普及は進んでいるようで、CESにおけるスマートホームエリアの占める割合はかなり大きなものでした。
一方で、去年と変わらずGoogleがラスベガスの街中でGoogle Assistantの屋外広告を積極展開していることを考慮すると、スマートホームをまとめあげるコアとなる音声アシスタントの啓蒙には、まだ時間がかかるとも考えられるかもしれません。
スマートホーム関連製品は、そのメリットを「1. 防犯」「2. 環境快適化」「3. 作業自動化」に大別できます。防犯は必要な機能が明確であり、欲しい状況や顧客も想像しやすいかと思います。環境快適化についても米国の住環境を想定したnestのようなスマートサーモスタットが何年も前からあるため、製品カテゴリとして確立しつつあります。
一方、作業自動化に関しては、まだまだ万人に対しての明快なメリットを打ち出せているとは言いがたいでしょう。今後、この作業自動化系家電が定着するためには「自分でやったほうが早い」ジレンマを克服しなければならないので、少なくともLGの提示した未来の本格到来を待つ必要がありそうです。
※後編(1月30日掲載予定)に続く
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