マーケティングアジェンダ2023

「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2023」グランプリは、博報堂チーム

 

第3回のヤング・クリエイティブ・アジェンダのグランプリに輝いたのは…?


 2023年5月24日から27日にかけて沖縄県・読谷村(ロイヤルホテル沖縄残波岬)で日本最高峰のマーケティングカンファレンス「マーケティングアジェンダ2023」(主催:ナノベーション)内で、若手クリエイターが企画案を競い合うコンペティション「ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2023」が開催された。グランプリには博報堂 イノベーションプランナーの山本健太氏、デザイナーの坂本俊太氏のペアが輝いた。
  
博報堂 デザイナーの坂本俊太氏、イノベーションプランナーの山本健太氏

 本コンペティションは、事前の書類審査を通過した若手クリエイターが2人でチームを組み、出題されたテーマに対してクリエイティブアイデアを競い合うもの。今回は、沖縄が誇る泡盛「残波」を製造する比嘉酒造から提供された課題に取り組んだ。課題は、「沖縄が誇る泡盛の『残波』が、日本中の居酒屋で飲まれるための施策」を、9社8チーム(ゼロイチ、GMO NIKKO、博報堂、パズル、アイレップ、エイド・ディーシーシー、ENJIN、東北新社、電通デジタル)のクリエイターが参加し、限られた時間の中で企画案を考えた。

 審査員としては、ブランド企業側からファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の⾜⽴光⽒(審査委員長)、リクルート マーケティング室 CDの萩原幸也⽒、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド カード部門ブランドコミュニケーション 部長の杉野恵美⽒、ダイキン工業 広告宣伝グループ長の片山義丈⽒、八代目儀兵衛 取締役CMOの神徳昭裕氏、比嘉酒造 代表取締役の比嘉兼作氏が務めた。

 また、昨年から引き続き、クリエイターの視点を審査に加味したいという狙いから、審査アドバイザーとして電通グループ グロース・オフィサー/エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターの澤本嘉光⽒、エイド・ディーシーシー 代表取締役/エグゼクティブプロデューサーの富永幸宏氏が参加した。

 厳選な審査の結果、グランプリ1社、準グランプリ賞2社が選ばれた。グランプリに輝いた博報堂は、琉球ガラスの技術を使い海洋ゴミをアップサイクルすることで、「残波」の飲料を体験をアップデートするアイデアを提案した。博報堂の山本氏は、「沖縄料理屋で残波を飲みながらアイデアを考えたり、海でシーグラスを拾ってガラス工房に行ったりして、楽しみながら企画に取り組むことができました」と話した。坂本氏は、「この企画を通して、地元のタクシーの運転手と仲良くなれたり、お店の店員さんが残波への愛を語ってくれたりと、沖縄の温かさに触れられたことが嬉しかったです」と喜びのコメントを寄せた。

 準グランプリには、電通デジタル アートディレクター/グラフィックデザイナーの夏眞雄氏、コピーライター・プランナーの近藤雄介氏、エイド・ディーシーシー プロデューサーの伏見麻菜美氏、同社 WEBディレクターの廣島楓花氏が選ばれた。
  
ヤング・クリエイティブ・アジェンダの審査員長として、総括を話した足立光氏

 今年のヤング・クリエイティブ・アジェンダの総括として、審査員長の足立氏は「8組のクリエイターの皆さん、2日間本当にお疲れ様でした。さまざまなアイデアを出していただきましたが、グランプリの博報堂さんは、泡盛の弱みではなく、『残波』の持っている沖縄のお酒というイメージを海のお酒にリポジショニングしたアイデアであり、強みを活かした唯一の企画でした。また、泡盛全体でなく『残波』にしっかりとフォーカスした点、発表の中であった琉球グラスもマーケティングアジェンダ開催地である読谷村でつくられているもので、ストーリーに一貫性がありました」と、コメントした。

 また、足立氏はグランプリ、準グランプリに輝くことのできなかったクリエイターも短期間で努力されたことを称賛し、会場は大きな拍手で包まれた。

 ヤング・クリエイティブ・アジェンダは、ブランド企業のマーケターが審査を行うことから、単にアイデアの面白さだけでなく、ビジネスとして成功するために実現可能かどうかという視点を中心に評価、審査を行なっている。そのため、クリエイターは戦略性や集客につながるかどうかなど、マーケティング視点を考慮した上でアイデアを企画することが求められた。

 普段あまり出会うことのないクリエイターとマーケターがマッチングできる場として、夜のネットワーキングパーティーでは今後の仕事にもつながる貴重な機会になった。また、クリエイターだけではなく、マーケティングアジェンダの参加者からも高い評価を受けたプログラムのひとつとなった。
  
ヤング・クリエイティブ・アジェンダ2023結果発表後の集合写真

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