クリエイティブ

多摩美術大学の佐藤達郎教授が最終講義 学生らに送った、キャリア形成に役立つメッセージ「達郎語録」

 

最終講義に外部からも多くの聴講者


 多摩美術大学の教授を3月に退職する佐藤達郎氏が1月7日、同大学八王子キャンパスで最終講義を行い、在学生に加えて佐藤氏の知人ら外部からも多くの聴講者が集まった。
  


 最終講義のテーマは「広告クリエイティブと研究活動とキャリア形成とー佐藤達郎の人生を振り返るー」。佐藤氏の人生訓を「達郎語録」と名付けて、自身の人生を振り返りながらキャリア形成に役立つメッセージを学生らに伝えた。

 佐藤氏は1981年に一橋大学を卒業後、ADK(当時、旭通信社)に入社。2004年にはカンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員を務めた。その後、博報堂DYメディアパートナーズを経て2011年4月から多摩美術大学教授を務め、広告コンセプト / マーケティング論 / メディア論の授業を担当。2026年3月に退職する予定だ。


 佐藤氏によるアジェンダノートの連載「日本の広告最新事例を世界の潮流から読み解く」はこちら
  
最終講義でキャリア形成に役立つメッセージを学生らに送る佐藤氏
 

「20代はきつかった。でも悪戦苦闘して言語化と文章力の基礎を手に入れた」


 長年の研究と教育の集大成とも言える最終講義。佐藤氏は「20代はきつかった。割と地味な仕事が多かったし、思ったより有名にならないし。 でも、そこで悪戦苦闘したことで、言語化と文章力の基礎は手に入れた」と、その後から現在に至るまでの活動に生きるスキルの基盤がこの時期に形成されたことを振り返った。

 30代前半からクリエイティブ・ディレクターの仕事がメインになり、43歳でADKのクリエイティブ計画局長に就任、その後クリエイティブ戦略本部長も歴任した佐藤氏。「広告クリエイティブはチームスポーツ。自分以上の能力を持っている専門家を集めて統合して一つの形にするのがクリエイティブディレクターの役割だ」と学生らに説明した。

「働くモチベーションは、役立欲と仲間欲」と話し、自分が誰かの役に立っているという実感や、優れた仲間と一緒に仕事をするのが自身の原動力だと語った。
 

「お金は使ってナンボ」「迷ったら、ワクワクする方へ」


 もともと実務家だった佐藤氏がアカデミアの世界に足を踏み入れたのは2011年の52歳の時だ。15年にわたる教員生活で、研究活動にも意欲的に挑戦し、6本の査読付き論文を執筆した。

 定年退職に際し、「悠々自適の暮らしも、ゴルフ三昧の毎日にも、まったく興味がない」とのことで、4月からは個人事業主として企業支援を中心に活動していくという。

 講義の合間には、特技のギターの弾き語りを披露。斉藤和義さんの『歌うたいのバラッド』や石崎ひゅーいさんの『虹』、秦基博さんの『ひまわりの約束』などを熱唱し、会場を沸かせた。

 1時間半にわたる講義の中で佐藤氏が学生らに伝えた「達郎語録」は以下の通り。

①「咲きたい場所に、自分で自分を置きに行け!」

②「働くモチベーションは、役立欲と仲間欲」

③「ビジネスパーソンこそ、(アーティストも?)学術研究にチャレンジすべし!」

④「つねに“アップめ”に生きる」

⑤「心配はするな、対策を立てよ」

⑥「常に“その時点からの最善”を尽くせ」

⑦「迷ったら、ワクワクする方へ」

⑧「なるべく『極端』な選択をせよ」

⑨「『出会い』は、気づかないと、通り過ぎて行ってしまう。自分にとって大切な『出会い』に気づく感性を」

⑩「『皆と違う』ことは、それだけで価値になり得る」

⑪「お金なんて使ってナンボ。自身への教育的投資はもちろん、美味しいものを食べるとか、美しい景色を見るとかにも注ぎ込め!」
  
特別講義の終了後、来場者と談笑する佐藤氏。多摩美術大学八王子キャンパスにて

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