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アジア最大級の広告祭「スパイクス・アジア」が「ライオンズ・アジア」に名称変更 2027年9月に第1回開催
2026/09/17
カンヌライオンズ運営元のグローバル戦略強化の一環
世界最大級の広告・クリエイティブの祭典「カンヌライオンズ」などを展開するLIONSは9月17日、アジア太平洋地域を対象とする国際クリエイティブフェスティバル「Spikes Asia(スパイクス・アジア)」を「LIONS Asia(ライオンズ・アジア)」へ移行すると発表した。
約40年の歴史を持つスパイクス・アジアを基盤に、アワード(広告賞)に加えて、マーケティングやクリエイティブ、テクノロジーなど幅広い領域の知見や学習・交流機会を年間を通じて提供する地域プラットフォームへと発展させる。第1回 ライオンズ・アジアは、2027年9月、シンガポールで開催する。
今回の発表は、LIONSが前日の9月16日に明らかにしたグローバルモデル再編の一環である。
カンヌライオンズのほか、マーケティングの成果・効果を評価する国際的なアワード「Effie(エフィー)」、マーケティングの効果検証や事例、データなどを提供する「WARC」、クリエイティブやイノベーションの事例・知見を提供する「Contagious」などを擁するLIONSは、北米、アジア太平洋、中東・北アフリカ(MENA)の3地域で地域プラットフォームを展開する方針を発表した。
カンヌライオンズをグローバルなエコシステムの中心に据えながら、各地域の文化や商習慣に即した形で、LIONSが持つ知見や学習機会、評価基準、ネットワークへの接点を年間を通じて広げる。ライオンズ・アジアは、そのアジア太平洋地域における具体策にあたる。
カンヌライオンズを核に、地域との接点を年間へ拡張
LIONSが打ち出した新たなグローバルモデルでも、カンヌライオンズの位置づけは変わらない。世界のクリエイティブ・マーケティング業界から人や知見・事例が集まり、クリエイティブ・エクセレンスの国際的な基準を示す場として、引き続きLIONSのエコシステムの中心を担う。
一方、LIONSは、企業が効果的かつクリエイティブに優れた仕事を生み出すために必要なエビデンスやスキル、ネットワークへのアクセスには、地域によって差があると指摘する。そこで、LIONSが蓄積してきた知見やネットワークを、それぞれの地域に年間を通じて届ける方向へとモデルを拡張する。
グローバルな専門知を各市場に適した形で提供するだけでなく、各地域から生まれる人材や仕事、視点をグローバルな舞台へとつなげる、双方向の関係を目指すという。
その展開先として位置づけられたのが、北米、アジア太平洋、中東・北アフリカの3地域である。
北米では、消費者理解・マーケティング効果・クリエイティビティ結びつけるフェスティバル「Insight to Impact」を2026年10月にデンバーで開始し、2027年には開催地をナッシュビルへ移す。
さらに、デジタルカルチャーとクリエイターの祭典「VidCon」がLIONSの傘下に加わる。「VidCon x LIONS Creators」としてInsight to Impactの一部となり、ブランドと生活者、カルチャーをつなぐ上で存在感を増すクリエイターエコノミーをプログラムに取り込む。
中東・北アフリカでは、2027年12月に「ライオンズ・リヤド」を立ち上げる。同地域のクリエイティブ・マーケティング業界にグローバルな評価基準や知見、学習機会を提供するとともに、地域の人材や仕事をグローバルな業界コミュニティへつなげる構想である。
「ライオンズ・アジア」はフェスティバルとアワードの2本柱
ライオンズ・アジアの母体となるスパイクス・アジアは、アジア太平洋地域の広告・マーケティング領域におけるクリエイティビティを対象に、優れた仕事を顕彰するとともに、業界関係者が知見を共有し、交流する場として約40年にわたり展開されてきた。
そのルーツは、1986年に始まった広告賞「Asian Advertising Awards」にさかのぼる。2008年にLIONSと、広告・マーケティング業界の専門メディア「Campaign Asia-Pacific」などを展開するHaymarket Mediaが提携し、翌2009年に「スパイクス・アジア」へと改称・リニューアルされた。
ライオンズ・アジアでは、スパイクス・アジアが培ってきた地域とのつながりを継承しながら、クリエイティビティをより広いビジネスの文脈で捉えていく。
その背景にあるのが、企業におけるクリエイティビティの役割の変化だ。LIONSは、クリエイティビティが単なるコミュニケーションの手法にとどまらず、事業成果や顧客基盤の拡大、イノベーション、競争優位性を生み出す原動力として認識されるようになっていると説明する。
マーケティング、テクノロジー、エンターテインメント、コマースの境界が重なり合うなか、ライオンズ・アジアにはマーケターやクリエイター、エージェンシーに加え、テクノロジー企業、プラットフォーム企業、エンターテインメント企業、コンサルティング企業、経営層などの参加も想定する。領域を越えて知見を共有し、クリエイティビティを事業成長や変革、イノベーションにどう生かすかを探る場とする。
開催時期も変更する。近年、スパイクス・アジアは3月に開催されてきたが、ライオンズ・アジアは9月開催となる。地域のマーケターやエージェンシー、業界リーダーからのフィードバックを踏まえ、かつての開催時期である9月に戻す。これまでスパイクス・アジアを共同で展開してきたHaymarket Asiaとのパートナーシップも継続する。
ライオンズ・アジアは、「LIONS Asia Festival of Creativity(ライオンズ・アジア・フェスティバル・オブ・クリエイティビティ)」と「Asia Lions Awards(アジア・ライオンズ・アワード)」の2本柱で構成する。
LIONS Asia Festival of Creativityは、アジア太平洋地域のマーケティングやビジネスを担うリーダーが集い、学習や議論、交流を行うフェスティバルである。WARC、Effie、ContagiousなどLIONS傘下のブランドが持つ知見を集約し、各種コンテンツのほか、経営層向けフォーラム、参加者同士の学習プログラム、ネットワーキングなどを展開。
一方、Asia Lions Awardsは、スパイクス・アジアが担ってきたアワードの役割を引き継ぐ。アジア太平洋地域から生まれたクリエイティブ・イノベーションを対象に、マーケティングとコミュニケーションの未来を形づくるアイデアやブランド、人材を顕彰する。
今回の移行は、スパイクス・アジアの単なる名称変更ではなく、LIONSが進めるグローバルモデル再編をアジア太平洋地域で具体化するものと位置づけられる。広告・コミュニケーション領域で培ってきたクリエイティビティの評価と交流を土台にしながら、その射程をマーケティング効果やイノベーション、事業成長へと広げ、年間を通じて地域とグローバルをつなぐプラットフォームへの転換を図る。




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