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グランプリは「与那国島ブランディング」沖縄のクリエイティブアワード「第19回ocy賞」受賞作品を発表

 

【特別インタビュー】ocy会長・久田氏が語る、沖縄広告クリエイティブの現在地と未来

 アワード開催にあたり、ocy会長を務める久田友太氏(GYOKU 代表取締役 / クリエイティブディレクター)に、沖縄におけるクリエイティブ産業の現状や課題、そしてocyが果たすべき役割について話を聞いた。
   
ocy会長 久田友太氏(GYOKU 代表取締役 / クリエイティブディレクー)

―― 沖縄の広告クリエイティブの「現在地」をどう捉えていますか。

 ひと言で表現するのは困難です。なぜなら、業界のレイヤーや規模感が非常に多様だからです。県内の大手広告会社や印刷会社をはじめ、少数精鋭のプロダクション、フリーランスとして活躍するクリエイターまで様々です。案件の性質も、行政や官公庁の仕事から民間企業まで幅広く、大企業から地元の小規模な店舗に至るまで、クライアントが抱えている課題は千差万別と言えます。

 沖縄の経済は「観光業」と「建設業」で成り立っているとよく言われます。しかし私は、その根底を支える「クリエイティブ産業」が沖縄には確実に存在していると考えています。世の中に出ている広告表現、ネーミング、ロゴ、パッケージのすべてをクリエイターが生み出しています。作り手がそこに存在するということは、ひとつの産業として成立していることの証左でもあります。

 一方で課題もあります。それは、クリエイティブの存在意義や価値が、まだ沖縄という社会で十分に認知されていない点です。例えば、佐賀県や福島県などの他県では、行政がクリエイティブディレクターを登用する動きが進んでいます。沖縄においても、行政とクリエイターを繋ぐ役割がさらに求められると感じています。また、AIの普及により誰もが一定水準の制作を行えるようになった今だからこそ、思考プロセスやコンセプトを構築する「デザイン思考」やクリエイティブな視点が、より一層重要性を増しています。

 デザインとは単なる「造形作業」ではなく、仕組みを構築し、課題を解決に導き、目的を達成しながら新たな価値を創造していく行為です。クライアント側は「デザインによって経営課題を解決できる」という認識を、我々クリエイター側は「造形を超えた本質的な解決策を提示できる」という自負をそれぞれが持ち、双方が成長していく必要があると考えています。

―― そうした環境の中、今回の「ocy賞」で新たに「学生部門」を新設された狙いはどこにあるのでしょうか。

 ocyは元々、「クリエイター同士が繋がり、共に成長する」という目的のもとに発足しました。しかし現在では、教育機関のカリキュラム構築に関わるなど、ocyの役割は少しずつ拡大しており、より広い社会や業界全体へと視線が向いていると感じています。

 沖縄には沖縄県立芸術大学やKBC学園グループのビジネス&IT専門学校や、デザイン&アート専門学校などの学校がありますが、美術系の大学や専門学校は全国的に見ても非常に少ないのが実情です。さらに、学生の多くは県内にどのような広告会社や制作会社があり、どのようなクリエイターが活躍しているのかをほとんど知りません。その結果、せっかくデザインを学んだにもかかわらず、他分野の職に就いてしまうケースも多く見られます。これは業界にとっても大きな機会損失です。だからこそ、私たちが直接学校へ赴き、ocy賞の受賞者たちがフィードバック授業(Okinawa Creators Class)を行うなどして、学生たちに自分もこうなれるかもしれないと思えるような、将来への道筋や展望を示す必要があると考えたのです。

 世の中には数多くのアワードが存在しますが、本質的な意義は同じだと思っています。人と出会い、学び合い、繋がりを築き、自らを深めていく。その過程を経ることで、自分の成長や、自社の利益だけでなく、業界全体や社会全体を見据えて行動できる人材が育っていくと信じています。

―― 最後に、今後のocyの展開や展望について教えてください。

 現在は主に、年に1回のアワード開催と教育機関での特別授業が主な活動ですが、今後はさらに発展させたいと考えています。

 例えば、第一線で活躍するゲストを年に数回お招きし、会社の垣根を越えたワークショップや勉強会を定期的に開催したいです。クリエイター同士の横の繋がりや世代を超えた交流が深まれば、お互いにとって新たなビジネスチャンスも生まれるはずです。

 クリエイターの成長が結果としてクライアントの課題解決に繋がり、ひいては沖縄の地域社会や経済への貢献に繋がっていく。現在蒔かれている小さな種から、そうしたポジティブな連鎖を生み出していきたいと考えています。
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