SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #10

メルカリが「古着」を死語にした。アーカイブを愛する私たちの感性は、時代を飛び越える

現代のワカモノは、アーカイブを愛する


 数年前、少し早い時間に家に帰ってテレビを付けると、「平成を振り返る名曲○○選」という番組がよくやっていた。流れる演歌や歌謡曲。テレビを見る世代って、こういう曲をリアルタイムで聞いていたんだろうな。そんなふうに思いながら視線をSNSに切り替えると、午前中に炎上していたトピックが今も議論されていた。テレビからは、美空ひばりの「川の流れのように」が流れている。

 そう、少し前まで、過去の古いコンテンツは、それをリアルタイムに鑑賞していた人たちだけのものだと思っていた。しかし、最近はそうでもないように思う。

 平成/令和ムーブメントのせいもあるだろう。ただ着実に、現代のワカモノは、昔に比べて「アーカイブ」を愛する思考にあると思うのだ。
 

新譜と名作が同価値にならぶ現代の音楽の世界


 このような時代の流れをつくっているプレイヤーの代表格は、「Spotifyを代表する音楽系サブスクリプションサービス」と「メルカリ」だと思う。このサービスが一般的になっていくにつれて、アーカイブの概念が変わりつつある。

 例えば、音楽のサブスクリプションサービスによって、新作と過去の名作の差は、どんどんなくなりつつある。あいみょんの新作を聞くのと、Mr.Childrenの名曲を聞くのは、「TOP→曲名を検索→選択→再生」で、全く同じステップだ。



 サブスクリプションサービスが一般的になり、私も使うようになったが、聞いている音楽は7:3で古いものが多い。TwitterのタイムラインやInstagramのStoriesにシェアされる音楽も同じ。懐かしい音楽をそこで見かけることは珍しくない。LINEには、自分のBGMを設定できる機能があるが、そこに設定されているのも新曲ばかりというよりは、過去の名曲が並んでいるのをよく見かける。

 現代は、すべての新曲が、すべての楽曲と戦う時代である。逆に消費者にしてみれば、すべての楽曲を等しく聞くことができる時代なのだけれど。

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