SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #10

メルカリが「古着」を死語にした。アーカイブを愛する私たちの感性は、時代を飛び越える

メルカリが「古着」を死語にした


 メルカリもまた、私たちに「アーカイブ」の価値を教えてくれたサービスである。すでに語り尽くされた価値観かもしれないが、メルカリによって私たちの消費に関する価値観は少しずつ変化している。

 良いものはシーズンが過ぎても良い(売れる)し、その反対に、いくらその時に流行していてもシーズンが過ぎると売れないものは、メルカリ的指標だと価値は低い。

 さらにメルカリによって、より「古着」が身近なものになった。私が10代で青春を過ごしていた頃、古着といえばサブカルチャーのひとつで、着ている人は限られていた。また、古着を着ている人たちにとっても、古着を着ていることが他の人との差別化ポイントであった。



 だけど今は、どうだろう。「その服かわいいね~」と褒めると、「うん、メルカリで買ったんだよね」と返ってくることは、珍しくなくなった。「古着」という言葉自体がなくなりつつある。最近は、ビンテージのアイテムや、ハイブランドの名作を持つことを大事にしている女の子も周りで多い。

 現代に流行しているサービスによって、私たちの感性は「新しいものも古いものも関係なく、良いものは良い」と考えるように教育されつつある。私たちのアンテナは、時代をゆうゆうと超えるようになってきているのだ。

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