令和女子の解体新書 #03

メルカリが「買う基準」を変えた、コスパ2.0時代のリセールバリューの威力

高まるリセールバリューへの注目

 メルカリなど「フリマアプリ(≠オークション、EC)」が普及したことで、モノの手に入れ方はもとより、その流通の仕方、そして価値づけの仕方が変わってきている。

 こうした動向は一般的にシェアリングエコノミーと称されるが、より生活者の視点に落とし込むと、みんなの中で発生するニーズを社会全体でカバーしあっているようなイメージとなる。ある種の保険のようなかたちで、ニーズが発生しそうなものをプールしておくようなものだ。

 もちろん、こうした買ったもの・使ったものを融通しあうのは「中古」「リユース」といったいわば2次市場としてこれまでも存在した。だが、メルカリのようなコマースの新しさは、中間のお店を通さず生活者同士がダイレクトにつながりあう点にある(それこそフリマのように)。

 その上で、フリマと違うのは、コミュニケーションコストが低いため、さらに手早く多くの人に届けられる点である。



 そのような中で、一度買ったものをどれだけ高く売れるか=リセールバリューの考え方がどんどん重要になっていると言えるだろう。特にメルカリの中では、アパレルや化粧品の領域でそれが目立つ。

 服はともかく、コスメは目に見えて使った分が減ってしまうのでは…?!というツッコミが浮かぶが、実はそれはそれで「少量を試したい」というニーズに沿っているのだ。もちろん、そこで気に入れば実店舗で新品を買うという風につながる。

 あるいは、流行っているブランドの服を新品で買い、メルカリで流行が終わる前に売るという消費行動も見られるようになってきた。高く売れるほど、実質的に安く服を着られたことになるわけだから、情報感度が高く流行に敏感な生活者ほど実際的に「儲かる」ようになっているのが興味深い。

 もちろん書籍でもそうで、流行りの本はどれか、みんながいま読みたいと思っているものはどれか、その目利き力や世の中のニーズをつかむ力があれば、買って、読んで、知識は吸収した上でほぼ定価で売れるわけで、得するというわけだ。

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