SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #14

「ポケモンGO」「メルカリ」…若者の橋渡しでシニア層へのスマホサービス普及が進む

「スマホはインフラ時代」の若者の立ち位置


 私は、そうは思わない。インターネットサービスを使う層が幅広くなっても、ネット上の消費動向に関して、若者はこれからも重要な役割を担い続けると思う。

 その役割とは、「橋渡し」の役割だ。

 たとえば、ゲームアプリ「ツムツム」を始めたおばあちゃんのダウンロードのきっかけはお孫さんで、継続する楽しみのひとつに息子とのコミュニケーションがある。

参考:巣鴨のオーバー70世代にインタビュー! 大先輩たちのリアルなスマホ事情を聞いてみた

 LINEをするためにスマホを買うシニアも多いが、その理由もやはり子どもや孫たちとのコミュニケーションが目的であることが多い。

 また、最近の夫婦の話を聞くと、子どもの写真をすべて「みてね」などのサービスで共有していることが多いが、その際におじいちゃんやおばあちゃんにサービスのことを教えるのはやはり孫の親である息子・娘だったりする。

 年齢層は下がるが、「Tiktok」の流行も最初は女子高生からだったように思える。唇の動きと音声を連動させるリップシンク動画の流行に合わせて台頭してきた「Tiktok」が女子高生を中心に広がり、「若者の使っているアプリ」としてサラリーマン層より上の世代にも広がった。「Snapchat」もそうだったが、「若者の使っているアプリ」は話題になりやすく、それをきっかけに使い始める大人も多い。



 若者は、次々と新しいサービスを取り入れる柔軟性がある。スマートフォンを使った新しい毎日の楽しみ方を見つけ出し、みんなで共有してさらに楽しみ始める。その楽しみ方を上の世代にも広げてくれるのはいつだって若者である。私たち大人もまた、「最新のことを知りたい」「若い人の感性を知りたい」と注目している側面もある。

 若者は、これからも「スマートフォンを使った新しいライフスタイルの伝承者」であり続けるであろう。一方で、新しいインターネットサービスの潮流が若者から生まれ続けながらも、長く利用してくれるユーザーの幅が広がっていることは新たな流れとして理解したい。若者が持ち上げた新たなサービスが、それこそ「より長寿」になる時代が来ているのだ。
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