ヒット商品・トレンドから読み解く、インサイト最前線 #03

YouTuber「HIKAKIN」「はじめしゃちょー」は、なぜ超人気なのか? 消費者インサイトを徹底分析

「HIKAKIN」が人気の理由は?


 ソーシャルデータを比較すると、それぞれに際立った特徴があると分かりました。

 HIKAKINさんの場合、「ドッキリ」「子供」「女の子」などのTweetが数多く含まれました。その理由として8月8日にアップロードされた、HIKAKINファンの女の子の家に本人がドッキリで登場して、女の子が大号泣する動画の影響が考えられます。

 ファンの反応も極めて高く、すぐにまとめサイトに転載され、多数のTweetが発生しました。
 
出典:https://twitter.com/crew032/status/1159661157193437184
 
出典:https://twitter.com/BQxXix15Cxv54kx/status/1159449659670056960

 HIKAKINさんに関するTweetの特徴として、「感動」という単語がはじめしゃちょーさんより多く含まれる点が挙げられます。登場頻度は35倍です。調査期間内に”感動を呼ぶ動画”がアップロードされた影響もありますが、言い換えればそういう動画を作れるのがHIKAKINさんらしさなのだと思います。

 実際、HIKAKINさんはこれまで「大炎上」を起こしていません。ソーシャルデータの中には「炎上」が含まれるTweetも散見されましたが、それは自身のぬいぐるみ「ハチキン君」を3000個用意し、日本財団を通じて難病の子どもに届けることを表明した動画が「ヒカキンさん、ゴミを難病の子どもに送り付け炎上」と評され拡散したからです。

 ファンのみならず賛否が分かれており、炎上というより何をしても何らかの理由で叩かれる有名税みたいなもんだと思います。
 
出典:https://twitter.com/keippe1/status/1157655095120547840

 これまでのデータから、HIKAKINさんが充たそうとしている消費者のインサイトは、以下ではないかと推察します。
 
  • ネットも現実も、傷つけられるリスクでいっぱいだけど、ヒカキンの動画を観ているときだけは何の心配もなく平和な気持ちになる
  • どんな悲惨な状況でも、動画の中では必ず「笑顔」で凄いと思える
  • 絶対的にブレない「いい人」を感じれて、見ていて安心できる
 
 誰かを悪く言って笑いをとるのは簡単ですが、そんな内容では親が安心して子どもに見せれません。見ている側も、後味が悪いものです。HIKAKINさんが提供する動画は明るく楽しく、親も子どももそろって見ることができる。「笑って泣ける日テレ的バラエティ要素」がHIKAKINさんの人気の秘訣なのではないでしょうか。

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