ヒット商品・トレンドから読み解く、インサイト最前線 #03
YouTuber「HIKAKIN」「はじめしゃちょー」は、なぜ超人気なのか? 消費者インサイトを徹底分析
「はじめしゃちょー」が人気の理由は?
一方で、はじめしゃちょーさんの場合、「繋がる」「担」などのTweetが数多く含まれました。担とはもともとジャニーズファンが使っていた用語で、「○○担当」すなわち一番好きという意味です。アイドルを推すファンのノリと同じように「はじめしゃちょー担」が大勢いて、同じ人と繋がりたいというニーズが多数あるようです。
失礼かもしれませんが、単に「顔」だけなら、はじめしゃちょーさんよりイケメンは大勢います。それでも、ここまで多くの「はじめしゃちょー担」がいるのはなぜでしょうか?
ソーシャルデータを調べてみると「おにぎり」「ライオン」など、一見はじめしゃちょーさんと関係なさそうなTweetが数多く含まれていると分かりました。どうやら、ライオン(タレント動物)を自宅に招いたそうです。
かと思えば、「コンビニおにぎりの米粒はどこが1番多いのか検証」するなど、企画の動と静というか規模の大と小が半端ない。
良い意味で「悪ふざけ」「悪ノリ」精神を感じます。ただ、度が過ぎると「炎上」してしまいます。はじめしゃちょーさんも、これまで数々の炎上を経験し、そのたびに謝罪し、時には活動休止してきました。
この感覚はどこか懐かしい…と自分の過去を振り返ると、男子高校生時代に教室の皆から好かれていたイケてるグループがやっていた「悪ふざけ」にテンションが似ていると感じました。やり過ぎると職員室で先生に叱られていた風景が目に浮かびます。同じような声もチラホラ上がっています。
これまでのデータから、はじめしゃちょーさんが充たそうとしている消費者のインサイトは、以下ではないかと推察します。
- 大人が押し付ける常識が邪魔をしてバカな遊びをできないけど、はじめしゃちょーの動画を観ていると度を越えたノリの良さで楽しい気分になれる
- みんなからの「愛されているオーラ」を感じられて、見ていてホッとする
社会人になって、大人はみんな「バカ」をやらなくなりました。でも大人が真面目に金かけてバカなことするって、最高じゃないでしょうか。はじめしゃちょーさんが提供する動画は度を越えたノリの良さで、隠れてでも見たくなる。「楽しくなければテレビじゃない!フジテレビ的バラエティ要素」がはじめしゃちょーさんの人気の秘訣なのではないでしょうか。
なぜか好かれる「HIKAKIN」「はじめしゃちょー」の共通項は?
2大Youtuberと言うべきHIKAKINさんとはじめしゃちょーさんに共通しているインサイトは「人柄が気に入っている」だと考えました。ファンの皆さんも、動画の内容が面白いというのもあるでしょうが、何より2人の人柄が気に入っているのだと推察します。
昨今は企画の良し悪しより、人柄の良し悪しでYoutuber(もっと範囲を広げればインフルエンサー)が消費者に選ばれる時代なのだと言えるでしょう。
恐らくお2人とも、そうしたインサイトを理解した上で、「人柄」が伝わる動画を何年も欠かさず毎日アップロードしていると思います。それは本当に尊敬できます。
1度、皆さんもHIKAKINさんや、はじめしゃちょーさんの動画を見てみてはいかがでしょうか?
・HIKAKIN
・はじめしゃちょー
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