SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #15

企業と消費者の双方に世の中を良くする「聡明さ」が求められている【りょかち】

良いプロダクトが生まれるために必要なのは「聡明な消費者」


 社会的なメッセージは、いい意味でも悪い意味でも”燃えやすい”。これからの時代、多くの挑戦が炎上することも多々あるかもしれない、いや、あるだろうと思う。また、社会的メッセージは、しばしば価格などの大衆的なニーズや手軽で気軽なUXなどのユーザーの都合と相性が悪かったりする。

 さらに社会的メッセージは、受け手側の理解が追いつかなかったりする。それはつまり、どういうことかと言うと、「消費者が試されている」ということである。

 消費者が、正しいメッセージとは何か思考すること。議論を生み出すことは良いが、プロダクトやサービスのアップデートに活きる意見を言うこと。新しい時代の最適解は、試行錯誤の末に現れるのが世の常。そして、論点を議題に上げた人だけが望む、ミライの延長線上に立つことができる。

 実行されたアイデアが間違っていることもあるだろう。私もサービスをつくってきたけれど、アイデアを夢想するだけではなく、世の中に実現可能な形で産み落として、継続していくことは気が遠くなるほどに難しいと感じる。



 なんにせよ時代は変わっている。

 新しい「双方向性のある、ものづくり」の時代がやってきた。それは、少し前のライブコマースやSNSヒアリングを通してユーザーのニーズを吸い上げながらモノをつくることではない。モノづくりを通して、逆に私たち消費者が問われているし、ものをつくっている人たちは、恐る恐るではあるものの、勇気を持って社会を良くする挑戦を始めている。

 「社会を考えるブランドが出てきて良いことですね」と言っている場合ではないのだ。その価値は、受け手の私たちによって形づくられるのである。

 それらがうまくいったならば、世の中の隠れた「負」をひっくり返すようなプロダクトが世の中に生まれ、ユーザーの声によってブラッシュアップされて、健やかな世の中のスタンダードとして息づくことが繰り返されるかもしれない。

 社会的なメッセージが求められるようになった今、コミュニケーションの発信側にも受信側にも「聡明さ」が求められている。ともに議論をしながら、新しい時代を模索し、実際に”エグゼキューション(実行)”しながら確かに進歩するミライをつくり上げていくフェーズが始まっている。

 ミライを変えよう、私たちの知恵を絞り、実際に手を動かして。
他の連載記事:
SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ の記事一覧

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録