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SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #01

InstagramやYouTubeが「カワイイ」を小宇宙化した、私たちはカスタマイズされた未来を夢見る

身近なインフルエンサーの情報が育てた、リアリストなZ世代

 女の子のまなざしが雑誌からソーシャルメディアへ移ったことで生じるカルチャーのかたちの変化はそれだけではない。

 ソーシャルメディアから発信される「カワイイ」を浴びるわたしたちは随分とリアリストになったように思う。

 キレイなモデルが出ているCMを見た友人が「確かにCMに出てる○○ちゃんはキレイだけど、何つけてもキレイだろうし、実際商品がいいかどうか伝わらないよね」と言っているのを聞いたことがある。

 私の3つ歳が離れた妹は、コスメを買うときに自分が信頼しているYouTuberの投稿を見て、実際の色味を確認してから買うと言っていた。私も服を買うときは、自分の体型に似た人が着ている画像も一応検索する。

 私たちはいつの間にか、「雑誌モデルへの憧れ」ではなく、「自分に合ったメディアで得られた信頼できる実用的情報」を手に、店舗へ足を運ぶようになっていたのである。
 

「プロに選んでもらう」という心地よさ

 そんなことを考えている時、知人がとあるブランドがコスメカウンターで行う肌診断をおすすめしてくれた。美意識が高い友人によれば、「本当に美容を極めるなら、まずは自分の肌の特質をプロの手を借りて知ることが一番」だそうだ。

 それを聞いてすぐに私は別の友人とIPSAのコスメカウンターに走った。専用の機械を使用して、肌質や肌の色などを測定し、適したスキンケアを提案、自社アイテムのレコメンドなどを行ってくれた。

 私たちは先方の思うツボがごとく、その分析に感動して、どっさり化粧品を買った。きれいな担当のお姉さんが、「季節ごとに肌の調子も、適切なスキンケアも変わるので、またメンテナンスチェックしに来てくださいね~」とおっしゃってくれたので、二人仲良く「はーい!」と喜々として返事をして帰ってきた。

 帰り道わたしたちは、それぞれの肌質についてシェアしあい、「じゃあこんなスキンケアとか良いって聞いたことあるよ」と相談し合った。自分にピッタリのスキンケアとアイテムを手に入れた私たちは、満足度も相当高く、IPSAに対する信頼度も相当高まったように思う。
 

わたしたちが欲しがる「カスタマイズされた提案」

 それから私はカスタマイズサービスにすっかりハマってしまい、他のコスメカウンターにも肌診断をしに行ったり、希望のスタイルやSNSアカウントなどを聞いて専用のコーディネーターが服をコーディネートして送ってくれる「ZOZOおまかせ定期便」を試したりもした。

 いずれも「こんな悩みがあります」「こんな風になりたいです」という曖昧なイメージを伝えれば、プロフェッショナルが落とし所を見つけて現在からのアプローチを提案してくれてとても良かった。

 現代の粒度の細かいカテゴリによって提示された大量の選択肢は、逆に私たちを悩ませる。さらにそれぞれの情報も膨大だから、そのくせワガママにクオリティが良いものだけを探求したがる。

 だからこそ、私だけの提案をプロフェッショナルからもらいたくなる。自分である程度決めたいけど、詳しいことはプロにおまかせしたいのだ。

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