令和女子の解体新書 #05

“インスタ映え”流行語大賞から2年、今さら聞けない令和女子インスタ事情4選

前回の記事:
セクシー女優やキャバ嬢がインフルエンサー化。なぜ若い女性の憧れの存在になったのか?

“インスタ映え”から2年がたった今


 とにかく華やか、キラキラ、リア充…。

 そんな「非日常」を友人・ソーシャル上にシェアするSNSとして人気を博したInstagram(インスタ)。華やかで「いいね!」をたくさんもらえる写真が “インスタ映え”と呼ばれ、流行語大賞に選ばれたのは2017年でした。

 あれから2年、利用者は幅広い世代へと拡大し、今では月間アクティブアカウントが3000万を超えています。令和女子にとって、インスタの存在はどのように変わったのでしょうか?今さら聞けない、現在の10-20代女性のインスタ事情を明らかにしていきたいと思います。さらに、今のインスタは、女子にどんな影響を与えているのかも解明していきます。

■インスタ事情(1) インスタで「知る」→インスタで「理解する」へ

  “インスタ映え”という言葉に代表されるように、きれいな写真を使ったビジュアルコミュニケーションの場だったインスタ。企業アカウントや友人の投稿した写真を通して、新しい商品やイベントについて「知る」場として機能していました。その主な役割が大きく変化しています。今、インスタは新しい物事を「知る」だけでなく、ブランド・商品・イベントなどについて「理解する」場として使われています。

 文字の入った写真を投稿する”解説アカウント”や、カルーセル投稿を使って雑誌のように投稿するアカウントが登場し、商品やトピックスについてより深く語るアカウントが人気を博しています。新しい物事を知るだけでなく、その自分なりの使い方やフォロワーの悩みに答える使い方も解説し、「理解・納得」してもらう場へと変化しているのです。

 特に、コスメやファッション、グルメなどの女性の消費が動きやすい分野でこの傾向は顕著です。Instagramアカウントのみしか持たないインスタ専門メディアも登場し、人気となっています。



■インスタ事情(2) 映えるイベントをシェア→「映える日常」をシェア

 女子会、リムジンパーティー、フォトスポット…。

 いわゆる”インスタ映え”な非日常なイベントごとをシェアするのが2年前の使い方でした。そのあり方は、大きく変わりました。今では非日常はもちろん、「日常」をシェアするメディアへと変化したのです。「いいね!」の数が表示されなくなったことも相まって、より「日常」をシェアするメディアへと役割を変えています。

 変化のきっかけは、ストーリーズの登場です。24時間で消えてしまう投稿機能で、日本ではデイリーアクティブ利用者の70%以上にこの機能が使われています。最近では、普段ストーリーズしか見ないという利用者も増えてきています。

 ストーリーズの登場によって、毎回”インスタ映え”な非日常空間を投稿するのでなく、日常の中のシェアしたい瞬間を切り取り、気軽に投稿する場へと変化しました。今どんなご飯を食べている、どんな動画を見ている、友だちとどんな会話をしている…そんな日常においてのシェアしたい瞬間が集まる場となりました。

 たとえば、2019年に話題になったドラマ「あなたの番です」を考察。Twitter上で大きく話題だったように見えますが、10-20代女性の間では「あなたの番です」をリアルタイムで観ていることをストーリーズで投稿し、ダイレクトメッセージで友人と会話をしながら、Twitter上に流れる考察を読むという使い分けで楽しまれていました。写真映えはしないけど、友人に言いたい、そんな日常もシェアされる場になっているのです。

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