SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #16

「新しいソーシャルメディアが!」ではなく、「あのメディアにこんな新しいコンテンツが!」が話題になった1年だった

しばらく新しいソーシャルメディアの停滞はつづく


 2020年もしばらく、ソーシャルメディア領域において、新しいサービスが一大ムーブメントになる流れは少ないのではないかと考える。もう短文テキストはTwitterだし、動画はYouTubeだし、エフェメラル発信(24時間以内に消える“今”の発信)はInstagram Storiesという状況が続くと思うのだ。この2019年の1年間のように。

 もちろん、Instagramで大きなアップデートがあったり、欧米のPodcastの流行が日本にも来たり、Google マップが以前よりグルメ検索としてより使われるみたいなことはあっても、かつてのように「Snapchatがくる」「TikTokがくる」など、新しく既存サービスの利用傾向を変更させるようなソーシャルメディアプラットフォームが次々とあらわれることはなさそうだと思う。

 利用しているプラットフォームの大きな変化は、今年の「AirPods Pro」のさらに進化版がリリースされるだとか、カメラを内蔵した「スマートミラー」が流行するだとか、デバイスの変化や進化が起こってから生じるのではないか、と考えている。


 

上世代がいま知るべきなのは、「利用サービス」ではなく「感性」


 「どんなサービス最近、流行ってる?」から「どんなコンテンツが流行ってる?」が、みんなの関心事になったからこそ、よく聞く失敗の種類も変わるようになった。

 昔は、「Instagram Storiesの流行を知らないとかヤバい」だったのが、「このコンテンツ知らないのは、マジでナシ」になっているのである。広告やソーシャルメディアの発信内容が周りから過激に指摘されるようになったのも、ソーシャルメディアの変化が緩やかになってきたここ1~2年の話ではないだろうか。

 利用されるソーシャルメディアプラットフォームが決まってきているからこそ、「慣れていない」「不適切な」投稿は許されなくなってきている。それは、「こんなメッセージありえない」から「このハートは可愛くない」まで様々だ。

 若者文化に詳しい友人が、「広告クリエイティブは、話が分からない上の世代ナシでつくりたい。『このピンクがなぜダサいのか』を説明するのが大変」と語っていたが、似たような話を複数回聞いた。

 2020年は、「このサービス知らないなんて遅れている」よりも、「このピンクのダサさがわからないなんて信じられない」の時代が来ているのかもしれない。

 今後は「何のサービスに時間を使っているの?」ということは勿論、それ以上に、「何が面白い?」「何がKawaii?」「何がダサい?」「最近何を見ている?」といった若者の声に耳を傾け、その”感性”をインストールするように心がけたほうが良いのかもしれない。
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