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健康領域メディアデータから紐解く消費者の気持ち #01

消費者が頭痛や下痢に悩むのは何時?メディアデータをマーケティングに活用

情報を届ける先のユーザーの状態が大事

 健康美容領域においてインターネットメディアを運営する私たちリッチメディアが、ユーザーの「悩み」「関心」について、メディアデータを軸に紐解きます。当社は2010年創業し、健康美容領域に特化したメディア運営/マーケティング支援をしてきました。メディアとしては「スキンケア大学」「ヘルスケア大学」「メンズスキンケア大学」「HAIR」を運営しています。

 当該ジャンルにおいては、数多くのテーマを網羅的に展開し、健康や美容の悩みを抱えたユーザー、今よりも前向きな毎日を送りたいユーザーが利用しています。当連載では、メディアに来訪するユーザーデータを基軸にして、今の消費者の気持ちを観察し、専門企業ならではの観点で示唆を紹介していきます。また、それだけに留まらず、マーケティング活動にも触れていければと考えています。

 釈迦に説法ではありますが、現代社会では流通情報量が加速度的に伸びている一方で、消費できる情報量には限界があり、消費されなかった情報が増えています。

 こうした環境を踏まえた上で、さらに情報発信者として念頭に置かなければならない点は、自社が発信した情報に触れた人の数ではなく、その情報に触れて本当に伝えたいことが伝わったのかという点です。

 そのためには、情報を届ける先のユーザーの状態(気持ちや周囲の環境など)を考えた上で、情報設計し伝達していくことが大事だと考えています。そこで、今回はユーザーデータから「時間」という軸でユーザーの気持ちや心理が垣間見える事例をいくつか紹介します。

 テーマは、「頭痛」「高血圧・血糖値」「下痢」です。

 頭痛の原因も様々ですが、原因によって悩む人が多くなる時間帯は異なります(参照:下図グラフ)。



 「二日酔い」の頭痛・・・曜日は土日、時間は朝7時~11時
 「眼精疲労」の頭痛・・・曜日は平日(特に、月/火)、時間は夜20時~22時

 データをご覧いただくと、「確かにそうだよね」と納得されると思います。データは、自分たちの頭で考えている仮説を可視化し、検証するものでもあります。

 昨晩、お酒をうっかり飲みすぎてしまい、翌日頭痛で悩んだ経験があると思いますし、平日、デスクワークが立て込み、時間が経つにつれて頭痛で悩んだ経験がある方もいらっしゃるでしょう。

 ユーザーが関心の高まるタイミングやオケージョンで、それに役立つ情報や自分の悩みを解決してくれる製品に出会えると、情報量が多い現代でも、ユーザーにとっては騒音ではなく、ありがたい情報に変わっていきます。

 こうした仮説とデータを軸にしたコミュニケーション設計が重要であると考え、当社ではユーザーの気持ちを、データを使って把握し、設計をすることを大事にしています。
 

高血圧・下痢で悩むのは何時?

 続いて、簡単な考察ではありますが、いくつかのユーザーデータを紹介していきます。

 <高血圧・血糖値>  

 <下痢>  

 下痢の悩みが出てくるのは、朝7-8時ですが、下痢止めに関するニーズが高まるのは朝9-10時と症状発生から対処検討までに少しのタイムラグがあります。昼食・夕食前には、下痢のときに摂取すべき食事への意識が高まり、夕食後20時以降は、食べ過ぎ・飲みすぎの下痢についての意識が高まります。

 いかがでしたでしょうか。データを紐解くことで、ユーザーが今、何を求めているのかという気持ちが見えてくると思 います。

 冒頭に述べましたが、情報洪水の中、ユーザーは自分にとって意味ある情報でなければ、摂取しません。今まさに欲しいことを届けてくれれば、ユーザーにとって心地よい情報になり、その発信者への好感度は高まると思います。

 ユーザーのインサイト(本音)を捉えるための一つのアプローチとして、こういったユーザー行動のデータを活用することも有効です。アンケート調査と異なる点は、一人ひとりのユーザーに詳しく情報を聞けないのですが、回答環境や回答者の記憶に依存しないため、表層化していないニーズを見つけやすいといった点が利点になります。

 次回以降は、このようなユーザーデータをマーケティングに活用していく事例や当社が得意としているコンテンツマーケティングにも触れていければと思います。

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