令和女子の解体新書 #06

ジェンダーギャップ指数121位の日本で、動き出した令和時代のフェミニストたち

生理へのタブー視を取り払う “illuminate”


 ほとんどの女性が向き合うことになる「生理」。家族やパートナーとなる男性にとっても、もはや人ごとではない。そんな「生理」へのタブー視を取り払い、すべての人が自由に選択できることを目指して、生理関連用品のセレクトショップの展開を手がけるのがハヤカワ五味さんだ。
ハヤカワ五味さん 1995年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。課題解決型アパレルブランドを運営するウツワ 代表取締役社長。2009年“illuminate”プロジェクトをスタート。

 ハヤカワさんの狙いは、単なる物販ではない。彼女が立ち上げたプロジェクト“illuminate(イルミネート)”の存在意義は、人々が「より多くの選択肢を持ち、自由に選択できる」ことを後押しすること。

 避妊や妊娠、出産、いつ産むか、産まないかなど、生きていく上で向き合うことになるプロセスや選択肢が多い女性にとって、「選択」というキーワードはとても重要だ。illuminateはすべての人にとって、自分の目の前にある「選択肢」について考える機会を与えるものだという。
 
https://illuminate-pjt.com より

 「選択」を実践する上で、ハヤカワさんがこだわるのは“小売業”というスタイル。何を「買う」かで、消費者は自分の未来を選択することができ、さらに買うことは社会への意思表示にもつながる。「買う」は最も身近な社会参加となり得るのだ。

 そんな彼女はilluminate以外でも、ユニチャームと“#NoBagForMe”というプロジェクトを始めた。日本で生理用品を買うと、店員が配慮として中身が見えないように紙袋や黒いビニール袋に入れるのが暗黙の了解となっていたが、“#NoBagForMe”は「袋はいりません」という意思表示を意味する。

 生理についてなんとなく語りづらい雰囲気があるがために、生理痛をガマンして婦人科疾患の発見が遅れたり、生理に伴うPMS(月経前症候群)の悩みを一人で抱えたりなど、日本でも生理についてさまざまな課題がある。

 昭和に生まれた世代だと、性教育は男女別の教室で教えられた経験のある人も多く、「生理」について正確な教育を受けた経験のある人は実は少ない。タブー視されている現状を変え、男女ともに理解を深めることで生理用品をもっと自由に、さらに性について広い選択肢の中から選べるようにするのがこのプロジェクトの目的だ。


 

自ら課題を見つけ、発信する人が、世の中を創る時代へ


 令和時代を迎え、いよいよこれまでの常識が通用しない時代がやってきた。ご紹介した2人のプロジェクトはいずれも、ほんの数年前までは、世間から袋叩きにあってもおかしくないほどタブー視されていたトピックでもある。

 LGBTや男女の役割分担についても言えることだが、差別や不平等は時代によっては、当事者さえ気づかないこともある。時代が変われば常識も変わる。いち早く何らかの違和感に気づいたり、これまで顕在化していなかったニーズに気づいたり、自ら考えて行動を起こせる人が次の新常識を打ち立てる時代になっていくだろう。
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