令和女子の解体新書 #07
“投げ銭”だけじゃない。令和の若者が「一般人のライブ配信」にハマる理由
若者のライブ配信事情からみえる2つの動向
ひとつは、メディア視点からみえる「個人的嗜好視聴の加速」です。テレビのようにみんなが同じものを視聴するスタイルから、自分だけが好きなコンテンツを見るスタイルがどんどん加速しているように感じます。
それも長い時間をかけて一生懸命編集したYouTubeのような動画でもなく、台本や構成もない中でなんとなくしゃべるだけの一般人のライブ配信であるということが注目ポイントです。
ここで話される内容は、本当に他愛もない日常であることが大半です。それでもこうしたサービスにハマってしまい、毎日夜中まで配信したり聞いたりすることで寝不足になってしまう子も多くいます。
大人たちが時間と予算をかけて作ったハイクオリティなコンテンツよりも、一般人の「今」を配信するUGCが好まれていることに対して、今後のコンテンツの未来を考えさせられることは必至でしょう。
もうひとつは、マーケティング視点から見える「エンゲージメントの活かし方の行方」です。
例えば中国では、絶大な信頼を得る人気ライバーが紹介すると、どんなジャンルの商品でも大ヒットしてしまうほどに、ライブコマースという形が確立されています。
これは中国ならではのネット通販の力の強さや、不信感のなかで信用を求める欲求度の違いなどが影響していますが、日本でもこうした強いファン関係で結ばれたコミュニティを活用して商品を紹介しプロモーションに活用することも可能かもしれません。
毎日2時間も配信する方からしてみれば、「話すことがない」というネタ不足に対する悩みも出てきます。そんなときの話の活性剤として、商品を上手に活用してもらい、お互いにwin-winな関係を築けるといいのではないかと思います。
ぜひ、一度ライブ配信の世界を覗いてください。寝不足にさせられるほどの、お気に入りのライバーが見つかるかもしれませんよ。
取材協力
・SG ENTERTAINMENT株式会社(ライバープロデュース事業)
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