食のビッグデータ最強タッグ「クックパッド×ぐるなび」のトレンド分析 #02

【食トレンドの生まれ方】インスタ映えだけではなかった、チーズタッカルビブームの理由

前回の記事:
「内食」と「外食」の関係が、かつてないほど近づいている

ブームの拡大とその要素

 一大ブームとなった「チーズタッカルビ」どこで食べられていることが多いだろうか。

 まずは内食でのトレンドを示すクックパッド検索指数(1000回あたり検索)と外食でのトレンドを示す、ぐるなびの取扱店舗指数(1000店あたりメニュー掲載)の推移<図>をみつつ、ブームを時系列で追ってみよう。

 
2014年
韓国でチーズタッカルビブーム。ぐるなびデータライブラリでもチーズタッカルビ掲載店があることが確認できる。
2016年2月
ブーム発祥となる新大久保の市場タッカルビにて「チーズタッカルビ」が発売される。
2016年12月
「めざましテレビ」で市場タッカルビが紹介される。
2017年2月
[newsevery. 」で創作韓国料理屋の山本牛蔵の人気メニューとしてチーズホットタッカルビが紹介される。
2017年3月
「ヒルナンデス!」でクックパッドのチーズタッカルビ風!肉野菜炒めが紹介される。その後[zip!」「とくダネ!」でインスタ映えする流行メニューとして紹介される。
2017年4月
「王様のブランチ」でダイニングバーのエミリアーノのチーズタッカルビレッグチキンEmiliano風が紹介される。
2017年5月
「ビビット」「♯ハイ_ボール」「ノンストップ」「林先生が驚く初耳学!」など相次いで紹介される。
2017年6月
「みんなのニュース」「♯ハイ_ボール」「沸騰ワード10」で紹介される。
2017年7月
「嵐にしやがれ」で紹介される。ローソンから「ダッカルビ丼」発売。
2017年8月
「めざましテレビ」などで紹介される。
2017年9月
「男子ごはん」などで紹介される
2017年11月
マイナビティーンズ「2017年ティーンが選ぶトレンドランキング」のモノ部門1位になる。デニーズで提供開始。ダイヤモンドダイニングやゼットンの系列店にて「チーズジェニック鍋」シリーズのひとつとして「チーズたっちゃん」を提供開始。ファミリーマートで「チーズタッカルビ丼」発売。
2017年12月
ファミリーマートで「チーズタッカルビまん」発売
2018年1月
松屋でチーズタッカルビ定食を提供開始
2018年2月
ファミリーマートで「チーズタッカルビ」「チーズタッカルビおむすび」発売。セブン-イレブンで「チーズタッカルビ」「とろ~りチーズソースのタッカルビ弁当」
「うま辛チーズタッカルビまん」発売。ローソンで「チーズタッカルビ丼」発売
出典:各社プレスリリースなど、ぐるなび調べ

 これらを見てみると、外食発のメニューが内食文脈でも紹介され、中食向けにアレンジが加えられて現在に至った過程が見えてくる。また、紹介のされ方も、次のような複数の文脈から紹介されてきていることがわかる。
 
a. 話題の韓国料理
b. 写真映えするメニュー
c. 家でもつくれる
d. 新しい鉄板・鍋メニュー
e. 他のメニューへの展開が可能

 数年前からヒットするメニューは写真映えが重要と言われてきたが、チーズタッカルビがこれほどまでにヒットしたのは、本稿では韓国料理という枠にとらわれない「d. 新しい鉄板・鍋メニュー」、コンビニでのメニュー展開のような「e.他のメニューへの展開が可能」といった要素がポイントだったと考えられる。

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