食のビッグデータ最強タッグ「クックパッド×ぐるなび」のトレンド分析 #02

【食トレンドの生まれ方】インスタ映えだけではなかった、チーズタッカルビブームの理由

インスタ映えだけではなかった、ブームの理由

実は、チーズタッカルビを提供しているお店の分布をぐるなびデータライブラリでみると韓国料理店以上に、居酒屋、和食、焼肉といった業態での提供が多いことがわかる。
   実は、和食業態に含まれる焼き鳥業態における取扱指数は早い段階で伸び、一時期韓国料理業態を上回っている時期があった。チーズタッカルビが韓国料理というよりも新しい味付けの「鶏料理」として取り入れられてきたことが伺える。

調理方法の自由度が高く、鉄板料理としても鍋料理としても提供できるため、既存設備をうまく活用してメニュー導入が行えることも普及に一役買っている。表に挙げた中では、市場タッカルビやデニーズが「鉄板料理」系、山本牛蔵やダイヤモンドダイニングが「鍋料理」系のチーズタッカルビだ。

さらに、コンビニではチーズタッカルビが丼や肉まんといった他のメニューの一部として提供されているように、他のメニューへの展開が可能だったこともヒットの要因といえる。

なお、他のメニューへの展開や、チーズタッカルビ自体のアレンジについては、ユーザー投稿型レシピサイトのクックパッドさんの得意分野だと思うので、次回の連載でクックパッドさんに解説をお願いしたい。
 

メニュー名に見る、チーズタッカルビの魅力

ここまでは、チーズタッカルビのブームがどのように拡大してきたのかを見てきたが、ここでチーズタッカルビが飲食店のメニュー上ではどのようなものとして表現されているのかを見てみよう。

右の表は、メニューにおいてチーズタッカルビと同時に現れることが多い単語のランキングだ。

これを見ると、「話題」の「韓国」料理であることに加えて、「女子」向けで「野菜」を多くとれるメニューとしても訴求されていることがわかる。味つけは「旨」「辛」「コク」で「ソース」が決め手で写真「映え」することもしっかりアピールされていることがわかる。

なお、最近の新大久保での流行メニューはチーズタッカルビ同様、伸びるチーズが写真映えする韓国風アメリカンドッグ「アリランホットドック」だそうだ。「アリランホットドック」は固有の店舗名のため、ぐるなびデータライブラリで取扱指数を見ることができないが「アメリカンドック」の取扱指数は堅調だ。

1位 話題
2位 韓国
3位 野菜
4位
5位
6位
7位 人気
8位
9位 鶏肉
10位 鉄板
11位 抜群
12位 コク
13位
14位 映え
15位 絶品
16位 当店
17位 逸品
18位 ソース
19位 女子
20位 本場

内食データ×外食データで事象を立体的に捉える

本稿ではチーズタッカルビブームを外食からの観点を中心に紐解いてみた。

あるメニューを取り扱っているお店が増えていますというだけではなく、どういったお店で増えているのかといったもう一段突っ込んだ見方をすることで、そのメニュー拡大状況やさらなる余地があるのかといったことが見えてくる。

次回は、内食と外食双方のデータを組み合わせることで、チーズタッカルビが内食ではどういった拡がりをもっているのか、家庭で提供される時にはどのような工夫がなされていたのかといったことをクックパッドさんから解説してもらう予定だ。
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