令和女子の解体新書 #08

カミングアウトすると、むしろ人気に? 若い世代ほどオタクに抵抗がない理由

 

オタク≠ダサい。オタクかどうかは外見じゃなくて心で決めるもの


 昔はオタクといえばチェックシャツにバンダナ、瓶ぞこメガネ、変な喋り方、非リア充といったダサいイメージが強く、中身よりも外見でオタクと判断されていました。
 
15年前に大ヒットした「電車男」。

 オタクと公言すれば、相手から引かれたり蔑まれたりしてしまう時代。周りにオタクとバレないように暮らしていた「隠れオタク」も多かったのではないでしょうか。

 しかし、最近では、リア充オタクの増加がテレビでも取り上げられたり、オタク=ダサいという描き方をしていた映画に対して、「古臭い」という意見がたくさん出ていたり。オタクといって想像される容姿は千差万別になりつつあります。
 

参考:マツコ・デラックスさん「オタクを特殊なものとする見方は完全に古い」

参考:増殖する「リア充なのにオタク」たちの実態


 容姿端麗な人もいれば、ダサい人もいる。リア充もいれば、非リア充もいる。特殊でマイナーな人たちではなく、どこにでもいる普通な人。オタクという存在は、外見ではなく「メンタリティで語られる存在」になったのです。
 

敷居が下がったのはなぜ?0円でオタクになれるネット社会


 オタクが増えたのは、間違いなくインターネットの影響でしょう。インターネットのおかげで、簡単に深い情報が手に入るため、ちょっとした興味が“沼化して”オタクになってしまった若者は多いはずです。

 YouTubeではミュージックビデオが見放題。過去の動画も、探し放題。実況、解説動画が溢れているおかげで解説本を買ったり、自分で研究したりする必要もない。

 SNSではコアファンが深い情報を分かりやすくおもしろく発信してくれているので、少し検索するだけでどんどん知識が増えていきます。「公式垢(アカウント)」を通して、タレントやアーティスト、作者などの言葉を直接見聞きできます。

 さらに、動画配信サービスに入会すれば、遠征しなくてもアニメやコンサートがすぐに見られます。



 昔は画像やインタビュー記事など、「推し(最も応援しているタレントやコンテンツ)」の資料ひとつを集めるのに、たくさんのお金や時間がかかりましたが、今は空き時間に検索するだけで簡単に、そして膨大な情報が手に入ります。

 日本テレビ「ZIP!」で放映された「オタク特集」によると、オタクひとりあたりの年間消費額は10年で、10万円から2万5000円と4分の1に下がっているそうです。消費量は下がっても、オタク一人ひとりの知識量は昔と変わらないか、それ以上に増えているのではないでしょうか。

参考:「ZIP!」で「リア充オタク」特集 ネット上では様々な反応

 さらに「にわかオタク」や「新規」という単語もメジャーになりました。たくさんの情報を仕入れて深みにハマった後に、コンサートやグッズなどで初めて大きなお金を落とすという人も多いでしょう。昔と違って今のアーティストやアイドルは、1円もお金を使ったことがない“にわかオタク”をたくさん抱えているはずです。

参考:『にわかファン』を歓迎するラグビーの空気感から学べる事

 どれくらい夢中になったら、お金や時間をどれだけ使ったら、オタクを自称していいのいか。オタクの境界線はとても曖昧で自由なのです。時間を費やせば0円でもオタクになれるネット社会によって、オタクの敷居が下がり、オタクが量産されたのです。

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