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新・消費者行動研究論 #02

誰に買ってもらえれば商品がヒットするのか、新時代の先端層とは【慶應義塾大学 清水聰】

企業が味方につけるべき「情報循環層」とは

 具体的には、①人に情報源として頼られ、かつ伝達できる情報循環力、②新製品や新サービスに興味を持つアーリーアダプター度、③それに適切な情報源から正しい情報をきっちり集められる情報収集力、の3つを合わせ持っている人たちである。

 定義からわかるように、インフルエンサーの持つ情報を人に伝達する力、イノベーターの持つ新製品への興味度合い、マーケット・メイブンの持つ情報分析力、をすべて兼ね備えた人である。

 彼らは、新製品に対する興味度が高く、「情報循環力」があるため、新製品の情報を早い段階から拡散してくれる。ただし、キチンと情報を吟味し、新商品の良し悪しを判断する能力があるため、パフォーマンスの低い新製品や、SNSでの拡散を狙った内容のないキャンペーンには反応しない。商品力が判断できる、ある意味で“怖い集団”でもある。
 
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 彼らの性質で特徴的なことは、商品選択の基準に「話題になるかどうか」を挙げていることだ。一般的に商品選択基準は、「すぐ手に入る」「機能が優れている」「価格が安い」などだが、この情報循環層の消費者は違う。

 彼らがSNS上で肯定的な発言をした商品は、話題になる可能性が高い商品であり、それゆえ、売上がとれることになる。実際のデータでみても、この循環層の発言が消費者の購買を促すこと、循環層が評価した新製品は売れ行きがいいことがわかっている。

 SNSを使ったマーケティング手法と先端層の関係についてはいろいろ語られているが、この「情報循環層」を味方につけることが、その成功のためには非常に重要だといえるだろう。
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