マーケティングは、どこまで人間を理解できるのか #01

習慣の魔力。どうすれば、人は繰り返し買うようになるのか

 

まとめ:説得・納得ではない


 今回のコラムの前半では、私たちの日々の行動の大半が同じ場所で同じことの繰り返しで成り立っていること、そして、それが3要素からなるループで形成・維持されることを概観しました。
 
 この部分は、人間に広く共通することですから、扱う商材、カテゴリー、マーケットなどに関わらず無視するわけにはいきません。

 後半には、これに対するアクションの例を少しだけ述べましたが、この部分は、どこで何をどういう戦略で扱うかによって大いに変わり得るところです。ただし、ロジカルに説得して、納得して習慣にしてもらおうとしても、うまくいかないです。

 あくまでも、きっかけ-ルーティン-報酬のループを繰り返しているうちに徐々に習慣になっていくのです。そして定着したら、そのルーティン行動はきっかけによってほぼ自動的に誘発されるようになります。

 習慣のループは、普段、消費者自身やマーケターが気づいていないところで回っているかもしれません。ここに目を向け、うまく活用することができれば、大きなインパクトがありそうです。

 実際にどのような有効なアクションが考えられるのか、今後それを耳にしたり目撃したりするのを楽しみにしています。
 
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 「マーケターVS 脳科学者 人の非合理性は、行動経済学と脳科学で解明できるのか」

 Preferred Networksでマーケティング責任者を務める富永朋信氏と対談。


<参考>
  1. Wood W, Quinn JM, Kashy DA (2002) Habits in everyday life: Thought, Emotion, and Action.  Journal of Personality and Social Psychology 83, 1281-1297.
  2. Charles Duhigg (著)、 渡会 圭子 (訳) (2019) 『習慣の力〔新版〕』 早川書房
  3. Roese NJ et al (2019) 「第9章 報酬系」 Moran Cerf ・Manuel Garcia-Garcia (編) 福島 誠・大須 理英子・辻本 悟史 (訳) 『コンシューマーニューロサイエンス』 共立出版 pp.244-262
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