SNS・消費行動から見えてくる20代女子のココロ #20

YouTubeやインスタと共存するTikTok。一瞬の流行と捉えるのは、大きな間違いだ

 

”短い動画”を”繰り返し”見させて、ロイヤリティを生み出す


 さらに、「動画以外の情報の少なさ」はTikTokを”コンテンツ博覧会”の立ち位置に導いているように思う。もちろんTikTokを中心に活躍している人も多いが、TikTokをいくつか見かけて気に入ってプロフィールを見てみると、「詳しい情報はYouTubeにアップしていきます♪」など、InstagramやYouTubeに誘導している人も多い。

 多くの人が見たことがあるかもしれない例だと、15秒の間に大変身できるメイクの早送りをTikTokで投稿していて、詳しいメイクの解説はYouTubeに載せていたりするのだ。



 冒頭に、インスタグラマーの友人やYouTuberの友だちがTikTokにコンテンツを切り出して投稿していると話したが、TikTokがその人のコンテンツの「試し見」プラットフォームになっているのである。

 TikTokは短い動画を縦にスワイプして気軽に数多くのコンテンツを消費できるメディアだ。そこでは、”短い動画”を”繰り返し”見るプラットフォームの体験によって数多くのスターを生み出している。

 同じ曲を何度も聞いて覚えられることで、新たな音楽業界のスターが生まれたり、短いコンテンツの有益性からファンになった人がInstagramやYouTubeに流れて大勢のファンを持つインフルエンサーに育ったりしているのだ。

 音楽であれば、繰り返し動画で使われている音楽を聞く間に、耳に染み付き好きになる。それ以外のコンテンツであれば、ダイジェストのようなコンテンツを繰り返し見ているうちに、その人が気になって「もっと詳しく情報を見たい」とYouTubeやInstagramをフォローする。そんな動きが発生しているように思える。

 知らない曲を一曲聞いてみるハードルは高くても、TikTokで色んなコンテンツをみるうちに“聴いたことがある曲”になっていることが何度もある。たとえ、3分ほどの動画でも面白いかどうか知らないYouTuberの動画を見るのはハードルが高いが、TikTokで15秒の動画を繰り返し見ているうちに、新たなYouTuberを発見できるのである。

 TikTokは、“ダンスや歌をバズらせる”メディアだけではない。コンパクトなコンテンツをつくり出すことによって、ユーザーにとって見やすい情報を提供しながら、その動画を“繰り返し視聴”をさせてマルチメディアでアカウントをフォローさせる「ロイヤリティ」を生み出すことができるのだ。

 今やTikTokは外部のSNSやメディアへファンを誘導し、ロイヤリティの高いファンを生み出すための「お試しコンテンツ博覧会プラットフォーム」になっているのではないだろうか。
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