新・消費者行動研究論 #21
話題のLINEブランドムービー、Tinderマッチング動画にみる、再生数だけではない「動画の価値」
Tinderの中に動画コンテンツ? コンセプトの拡散だけではないその意図
もうひとつ、身近に聞いた事例が、ソーシャル系マッチングアプリTinderの「Swipe night」の事例だ。
こちらの動画はTinderのアプリ内で、3週間限定で公開される予定だ。動画が進むごとに、今後の展開を変える選択肢を”Swipe”動作で選ぶことができるインタラクティブなストーリーになっている。
このように、ユーザーに選択肢を選ばせるストーリーは過去にNetflixの「ブラック・ミラー バンダースナッチ」ですでに実現されているが、今回の施策では、それをサービスでの体験の増幅に利用している。
ユーザーは自分が選んだ選択肢をアプリ内で振り返ることができ、自分と選択が近かった人とマッチングがしやすくなる仕組みを取り入れている。自分と似通った選択をした考えを持つ人と出会い、コンテンツについて語り合うことができるようになっているのだ。
“映画やテレビをみたときって、終わったあとに他の人と作品について話したいと思いますよね?(中略)コンテンツや経験についてどう思ったかなど、そういった会話を通して繋がりが築けますよね(Tinderのプロジェクトリーダー)”という意図だそうである。
確かに、マッチングアプリはマッチした後の会話が難儀だったりする。そこにコンテンツが媒介することで話しやすくなるというのは確かに理解できる。実際に、アメリカではこちらのコンテンツを配信した後のマッチ数が26%増加、メッセージは12%増加したそうだ。
参考:『スワイプ ナイト』Z世代が熱狂する「新しい出会いのカタチ」が日本上陸【SWIPE NIGHT 解説】
動画を使って、ユーザーのコミュニケーションを促進させる。新しい目的を持ったコンテンツ制作だと感じ、とても感動したことを覚えている。