新・消費者行動研究論 #21

話題のLINEブランドムービー、Tinderマッチング動画にみる、再生数だけではない「動画の価値」

 

コンテンツに支えられた、私たちの外出自粛期間


 新型コロナウイルスの影響によりプライベートな小部屋に閉じ込められた私たちの生活の中で、明らかにディスプレイを見る時間は増加している。この数カ月、世の中のことをディスプレイ越しにしか見ていないのではないかと思わされるほどだ。

 実際に数値で見ても、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアのDAUは軒並み上がっているし、Netflixの会員数はうなぎ登りになっている。

 しかし、それはつまり、確実にコンテンツを見る時間が増えている、ということでもある。コンテンツをつくる人たちにとっては、大きなチャンスの時代かもしれないのだ。

 もちろん、みんなに見てもられる動画をつくることは素晴らしい。しかし、単純に多くの人に見てもらう以外の目的があるならば、「いつもと同じ、ストーリー構成でいいよね」「とりあえずYouTubeで流しておけばOK」といったような既存の枠組みにとらわれる必要はない。

 さらに、一歩踏み込んで、動画の立ち位置や役割、動線の設計を工夫することで、そこにはより深く、新しいユーザーへのプレゼントとなるようなコンテンツが用意できるチャンスがあるかもしれない。

 外出自粛期間は、ディスプレイに囲まれて、外に行けないことを嘆いた数カ月でもあったが、同時にたくさんのコンテンツに励まされた時間でもあった。

 これからも多くのコンテンツを見る中で、新しい映像に感動するだけでなく、新しいサービスとの連携や体験に感動することが増えると、さらに楽しいに違いないと、ひとりのユーザーとしてもワクワクしている。
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