行動経済学で理解するマーケティング最新事情 #06

「マーケターに必要なスキルは何ですか?」と、質問してしまう人の心理

前回の記事:
「マスゴミ」という蔑称まで浸透。なぜ人はメディアの報道に偏りを感じるのか
 

なぜスキルを求める発言が飛び出すのか


 最近、マーケターとしての露出が増えたせいか、Twitterのダイレクトメッセージでマーケティングに関する様々な質問をいただくようになりました。中でも特に多いのは「マーケターになる上で、必要なスキルはありますか?」という質問です。

 どうやら転職活動で「スキル」を問われる機会が多いらしく、だったら有利になるように早くから身に付けておこう…と考えている人が多いようです。私からすると「スキル」という単語と「マーケター」という職業がアンマッチで、最初に質問をもらったときは「どういう意味だろう?」「何を言っているのだろう?」と固まってしまいました。

 ちなみに、Agenda Noteの読者の皆さんは、この質問にどのように答えますか。「”スキル”という質問自体が間違えている」「そもそも"なる”もんじゃないだろ」と問題提起されますか、あるいは真正面からお答えになるのでしょうか。

 そもそも、スキルとは「訓練や学習によって培われた技術や手腕」だと筆者は考えます。RPG風に言えば「レベルが上がったから使える呪文」「レベル上限が解放されたから使用できる技」みたいな意味合いでしょうか。したがって後天的です。

 一方で能力とは「何らかのミッションを遂行する基礎的な力」だと筆者は考えます。RPG風に言えば「もともと体力が高い」「レベルが上がると魔力だけさらに高まる」みたいな意味合いでしょうか。したがって先天的です。

 「マーケターになる上で必要なスキル」と質問を受けているので、事前に訓練や学習を通じて培った技術や手腕が無ければ通過できないゲートウェイがあるかのようなイメージでしょうか。

 私の場合、今回の問いに対しては、インサイト発掘支援で知られるデコムに2年間勤めたキャリアから「人間理解が大事です」と答えます。しかし、そう答えると、多くの場合、「SEOのライティングスキルや、MA(マーケティングオートメーション)の仕様理解度とか、そういう話を聞きたいです!」と返されます。マーケティングに必要な”スキル”を知りたい人は、実に多いのです。



 そう言えば、最近、Twitter上で「マーケター必須スキル一覧」なる記事が披露され、話題を呼びました。と言っても、それは技術や手段、目的がない混ぜにされ、構造化もされず、一覧になっただけだったため、かなり炎上していたという印象を受けています。

 「マーケターに必要なスキル」という設定の是非はともかくとして、なぜスキルを求める発言が飛び出すのか、その背景や心理を行動経済学の観点で考えていきましょう。

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