SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #25

SNS上の「身近な体験づくり」が次の消費を生む。現代のブランド“愛着”論

 

まず基礎的な部分から、ソーシャルメディアを活用しよう


 最後に、飲食店とソーシャルメディアについて少し違うトピックについても触れてみたい。ソーシャルメディアとグルメに関して、sioやミスチは天才的だ。身近なアイテムでいつも私たちをハッピーにしてくれて、時折利用できる、高価だが効果も抜群のご褒美も用意してくれている。

 しかし、そこまでいかなくても、お店がソーシャルメディアでできることは、たくさんある。このコロナ禍でお店のソーシャルメディア活用はとても大事になっているのではないだろうか。

 まずは、ソーシャルメディアに「開いてなかった」というがっかりコメントが溢れないように、営業時間を最新にしておくだけでもいい。GoogleMap、食べログ、Instagramアカウント、ツイッターアカウント。そこに営業しているかどうかの最新情報があることが、この”自粛”の線引が不明瞭なおこもり期間では体験の入り口のハードルを下げる基礎になる。



 さらに、もしイチオシのメニューがあるのなら、それをきちんと載せておくだけでも、ソーシャルメディアが好きなお客さんはそれを参考に写真を撮って体験を拡散してくれる。

 最近、話題のお店では、料理を出した時に「どうぞ!写真撮ってください!」と言われることも多い。写真を撮らせる店に”ここはインスタ映え優先で、味はそこそこ”という印象があるならばそれはもう過去の話で、今や美味しいレストランも抜け目なくソーシャルメディアへの活用に前向きだ。

 もちろん、それ以上に、ソーシャルメディア用のコンテンツ(レシピなど)もつくってもいい。けれど、まずは小さいことからでもいいのだ。私たちはなかなか家から出られないけれど、その分、外での活動への思いを高めている。

 私は外食が大好きだからという理由もあるが、数少ない外食の機会に、念入りにお店の情報を調べることが増えた。食事に興味がそこまでない人でも、お店に行く前に少しは情報を調べる人も多いのではないだろうか。

 なかなかお店で美味しいものに出会えない時代だからこそ、いつかお店で出会える日のために、先にソーシャルメディアで良い出会いを果たしておきたい。私はいつもおうちで、ソーシャルメディアを駆け巡る情報を見つめながら、いつかのおでかけの日を夢見ている。
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