行動経済学で理解するマーケティング最新事情 #15
24時間テレビから考えた、SDGsの「賛同者」を増やす方法
人が行動する源泉を探す
先ほどのOECDレポートには、世界各国の行動経済学事例が引用されています。中でも筆者が注目したのは、英国における「納税が遅延している人に送る督促状」の文面が行動経済学の観点からABテストされた事例です。次の5つのパターンが送られました。
① 10人中9人が納期限通りに納付しています。
② 英国では10人中9人が納期限通りに納付しています。
③ 英国では10人中9人が納期限通りに納付しています。あなたは現在、まだ納税していないごく少数派に属しています。
④ 納められた税金によって、私たち全国民は国民保健サービスや道路、学校といった不可欠な公共サービスを利用できます。
⑤ 税金が納められないと、私たち全国民は国民保健サービスや道路、学校といった不可欠な公共サービスを利用できなくなります。
② 英国では10人中9人が納期限通りに納付しています。
③ 英国では10人中9人が納期限通りに納付しています。あなたは現在、まだ納税していないごく少数派に属しています。
④ 納められた税金によって、私たち全国民は国民保健サービスや道路、学校といった不可欠な公共サービスを利用できます。
⑤ 税金が納められないと、私たち全国民は国民保健サービスや道路、学校といった不可欠な公共サービスを利用できなくなります。
1番納付率が高かったのは、③でした。すなわち、英国らしい紳士さを訴えてもダメで、人の羞恥心に働きかけた方が、この場合においては人がより動くのです。
もし、この連載を24時間テレビの関係者や企業内におけるSDGs推進関係者がご覧になられていたら、ぜひ知って欲しいことがあります。
それは「想いと行動は別だ」ということです。いくら共感しても、行動に移らなければ成果とは言えません。そして、人は必ずしも「良いことだけでは動かない」ということはもっと知られても良いことだと考えます。
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