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SNS・消費行動から見えてくる20代女子のココロ #03

「おっさんずラブ」公式Instagramに学べ。 2018年のSNSは再び「親近感」施策で「マスメディア」が主役になる【りょかち】

前回の記事:
ネット文化の主役になりつつある、「何者か」になりたい若者たち【りょかち】

乙女心に思わず共感。おっさんずラブの公式Instagram

 この春、久しぶりに毎回録画して観たドラマがあった。「おっさんずラブ」である。

 熱狂していたのは、私だけではなかった。周りの友人や、ソーシャル上の知り合いたちもみんな、毎週土曜23時にテレビの前でソワソワして放送を楽しみに待っていた。今は全員揃って「はるたん(主人公の名前)ロス」に陥っている。

 周辺の友人の話を聞くと、「Twitter上で話題になっているのを見かけて、気になって見だした」「Instagramで話題になっていて、アカウントをフォローしたら夢中になってしまった」という声が多かった。

 私もそうだが、最近はSNSのタイムラインで頻繁に見かけたり、ニュースサイトで「ネットで話題」となっているのを見つけたりすることが、テレビの電源をONにするきっかけになっている。

 特に、私の周辺で話題になっていたのは、おっさんずラブの公式Instagram「武蔵の部屋」だ。

 これは番組が「おっさんずラブ公式」以外にもう一つ運営しているInstagram。主人公はるたんの上司であり、主人公に恋してしまうヒロイン(おっさん)武蔵が運営しているという設定のInstagramで、恋い焦がれるはるたんの姿を隠し撮りした写真が日々アップされている。

 武蔵の部屋アカウントのフォロワー数は2018年6月時点で約50万人。ちなみにおっさんずラブの公式Instagramは34万フォロワーで、番組だけで合計すると約85万フォロワーにものぼる。

 同じ時期に放送していた月9のコンフィデンスマンJPのInstagramフォロワー数は2万という数字を参考にすると、どれだけ圧倒的な数字なのかがわかる。

 投稿される写真とともに、武蔵の乙女心あふれるテキストが綴られており、私たちはそれを見つけてはスクショして、「武蔵がマジで乙女www可愛いすぎる」と言ってTwitterにアップしていた。

 また、Storiesの活用も豊富で、通勤ラッシュの時間帯に、通勤姿のはるたんを追いかける動画がアップされたり、ドラマの中で同棲がはじまった後から同棲の様子がアップされたり、ドラマの展開やリアル世界の時間軸と同期してStoryがアップされており、その投稿をまたもやスクショして保存し、SNSに「ウケるwww」といってアップしている人も周りに沢山いた。

 まるで、武蔵が現実世界に生きているかのような投稿タイミングと、共感を生むテキストに、私たちはすっかり武蔵に対して親近感をおぼえ、いつの間にか他のドラマよりも、もっと「自分ごと」しながらドキドキして見ていた。

 「親近感」を味方につけるSNS運営は、何もおっさんずラブの事例に限った話ではない。さらに若い層の間では「花のち晴れ」のInstagramが好評だったようだ。


 こちらは、「otogram」という名前で運用され、主人公の音が運営しているという設定で更新されていた。投稿されるのは、登場するキャラクターの素顔が伺い知れるような内容。こちらも、主要キャラクターたちが実際に存在しているようで、各主人公たちにより深い親密感をおぼえ、ドラマを見ているだけでも微笑ましく鑑賞することができたという。

 私の周りの女の子たちは、「て、天馬くん普段からかっこよすぎる…こんな人学校にいて欲しい~~」「愛莉ちゃん、可愛い人だなあ」といった感想とともにTwitterに呟いていた。

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