SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #03
「おっさんずラブ」公式Instagramに学べ。 2018年のSNSは再び「親近感」施策で「マスメディア」が主役になる【りょかち】
「SNSで見かける」からハマる仕掛けをつくり出すInstagram
Instagramとは、ファンのためのメディアである。それほど拡散機能は豊富でない代わりに、フィードに宿る凝った世界観とStoriesによってつくられるリアルタイムな親近感によって、SNS時代における「身近ながらも憧れる存在」を生む絶好の環境が設定されているのだ。それをうまく利用したのが2017年に大流行したインフルエンサーマーケティングではないだろうか。
個人が写真を駆使して、マスメディアが如く世界観をつくり込む一方で、Storiesなどの投稿から伺い知れる親近感が、現代の「真似ができる」憧れとして、多くの人の注目と信頼感を集めた。
それによって数多くのカルトスターが生まれ、数え切れないほどの広告が「いかに広告っぽくなく、有名な一般人(インフルエンサー)に自然に紹介してもらうか」ということを気にして、「広告っぽいマスなメッセージは前時代的」という、なんとなくの雰囲気を抱くようになっていたのだと思う。
しかし、「芸能人は雲の上の人物で影響力がない。今アツいのは一般人の中から出てくるインフルエンサー」という時代もまた、風化しつつあるのが2018年であると思う。
有力な個人によってエンパワーメントされたSNSの威力が認められた今、マスな芸能人にとってもSNS活用は見落とせない活動の一つになっている。そして、その流れとともに、マスへのメッセージにおけるSNSを介した「親近感を見せる」施策が流行しているのではないだろうか。
親近感がウリの魅力的な一般人がメディアになる時代から、メディアである芸能人が、SNSで親近感を得ることによって、ユーザーによりロイヤリティをもたせる施策である。