SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #03
「おっさんずラブ」公式Instagramに学べ。 2018年のSNSは再び「親近感」施策で「マスメディア」が主役になる【りょかち】
これからも加速する「親近感」施策
SNSやテクノロジーを活用した「親近感施策」は、Instagramだけを活用したものだけではない。近年、紅白歌合戦でも取り入れられている「副音声」もまさに、「親近感」施策だ。
つくり込まれた世界観の裏側で、演者がゆるいテンションで感想などを語っている。さっきまでスターだった誰かが、一般人である私たちと同じように「緊張したー」だとか、「次出てくるこの人、昔からファンだったんですよね~」とか喋っている。その、つくり手の思いや緊張感を知るとより、つくり込まれた世界観がさらに尊く見える。
竹内涼真さんがCMを務めるは薬用ビューネの「24時間ビューネくん」は、リアルタイム×没入感の高い、スマホの縦型動画×日常のシチュエーションという施策だ。サイトに訪問する時間帯に合わせて、様々な種類の「同居している彼氏」という設定のビューネくん(竹内涼真)の動画が流れる。
薬用 ビューネ CM 「NIGHT篇(30秒)」。「24時間ビューネくん」はこちら
例えば、朝なら出勤を見送るビューネくん、夜なら「お疲れ様」を言ってくれるビューネくん、というように。それは、CMの「日常でよくあるシーン」を見るよりもさらに、「自分の生活の中に存在しているよう」に感じてしまうだろう。私も、私の周りのOLの友人たちも、「何回も覗きに行ってしまう」「すべてのパターンが見たい」「一緒に住んでいるみたいで本当にドキドキする」と話していた。
インフルエンサーだけに「リアルな人間味」をもたせている場合ではない。
今後も、この「親近感施策」はどんどん増えてくるようになると私は思っている。
技術的な話で言えば、VRやARなど、「フィクションをリアル世界に近づける」ためのテクノロジーはものすごい勢いで進化しているし、若い子たちの行動としても、Instagram StoriesやYouTube、Tiktokなど、インスタントに発信される飾らないコミュニケーションやコンテンツを求め続けていると思うのだ。
「一般人だから身近」という理論だけで、インフルエンサーが一般の消費者に影響力をもっているわけではない。
マスメディアで活躍する誰でも知っている芸能人や作品上の架空の人物も、SNSやテクノロジーを駆使して、「親近感」でもって消費者に近づけば、消費者との心の距離と注目度は、期待した以上に高まっていくものだと思うのだ。
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