行動経済学で理解するマーケティング最新事情 #17
ビジネスパーソンが「有名になる」ことに、どれだけの意味があるの?
何によって憶えられたいか
ハロー効果が発生する「顕著な特徴」は、何も個人の能力とは限りません。「誰々さんと繋がっている」、「誰々さんと仲が良い」といった人間関係も含まれます。
例えば、職業が全く不明だけれども、有名人とご飯に行っている写真ばかり投稿する人を「なんかスゴい人っぽい」と錯覚するのもハロー効果が影響する認知の歪みです。ただし、行き過ぎると「私は○○さんと友だちだから」というマウンティングに繋がるので要注意です。
そして、このハロー効果を悪用したマウンティングこそ、冒頭に私が釈然としないと口にした理由に繋がります。私以外の他のマーケターから良く思われること、あるいは認められること自体が、本当に良いことなのでしょうか。
そもそも、私たちマーケターはその仕事ぶりを誰から評価されるべきでしょうか。組織人であるならば上長であり会社でしょうが、やはり第一にユーザーであり消費者であり顧客ではないでしょうか。ハロー効果を用いて同じマーケターの間だけで「なんかスゴいらしい」と思われることに、どれほどの価値があるのでしょうか。
先日、あるマーケターの方と対談させて頂いた際にも「内に籠もるな、外に出ろ」と指導いただきました。内弁慶ではいけないよと叱られて、目の覚める思いでした。
マネジメントで知られるドラッカーは『非営利組織の経営』で「私が13歳のとき、宗教の先生が、何によって憶えられたいかねと聞いた。誰も答えられなかった。すると、今答えられると思って聞いたわけではない。でも50になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよといった」と書き残しました。
私はマーケティング職における実績を通じて大勢に知られたいし、それはマーケターのネットワークを超えて、憶えられたいと思うのです。それが自分というブランドを育む時間がかかっても確実な道のりだと感じています。
皆さんは、いかがでしょうか?
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