SNS・消費行動から見えてくる20代女子のココロ #32

個人と企業の境界が曖昧になる今、社員のインフルエンサー化で気をつけたい4つのポイント

 

「いつも楽しそうに遊んでる」と冷ややかな目も…


 3.   SNSで会社を盛り上げたいなら、インナーマーケティングも大事

 そして意外と大事なのが、社内に対する声掛けである。プライベートで趣味として運営している人も多いSNSだからこそ、「遊び」だと思われがちだ。楽しそうに振る舞うのも仕事であるのに、「いつも楽しそうに遊んでいる」と言われるケースも複数見てきた。

 だからこそ、SNSを運営するなら、インナーマーケティングをしっかり行い「SNSを盛り上げるぞ!」「みんなでこのアカウントを育てるぞ!」「インフルエンサーの彼らを応援するぞ」という雰囲気づくりが大切になる。

 社内にビクビクしながら行うインフルエンサー活動はツライもの。楽しくやればもっと面白いアイデアが出てくるのだ。これも “企業みんなで” 盛り上げる雰囲気が大事だろう。



 4.「インフルエンサーという資産をどう考えるか」をすり合わせておく

 最後に、社員のインフルエンサー化が成功すると、課題になるのが「彼女(彼)が退職したら、アカウントはどうなる?」ということだ。

 実際、成功事例を見ると、まだまだ顔出しで実在の社員が運営するケースでいうと、個人アカウントがそのまま育った場合、退職後も個人が管理する(企業のアカウントではなくなる)ことが多い。

 どちらにせよ、大切なのは「インフルエンサーという資産をどうつくり、管理するか」をすり合わせておくことだろう。あくまで企業のアカウントとして育て、対象者が退職後も人を入れ替えながら運営していくのか。あるいは、個人のアカウントはそのまま退職後は個人に付与するのか。事前に認識のすり合わせが必要だ。

 加えて、おすすめなのは、できるだけアカウントの成長ノウハウを社内に貯めていくことだ。属人的な運営は再現性が無いし、属人的な運営で得たフォロワーという資産は誰のものか判断するのが難しい。だからこそ、できるだけ汎用的なノウハウをシェアし、再現性のある仕組みを意識してつくっていくことが大事なのだ。


 

「SNSが仕事」になる時代。体制もアップデートが必要


 最近のインフルエンサーのトレンドをもうひとつ挙げるなら、「チーム化」だろう。従来はひとりのインフルエンサーがSNS運営をしていたが、今ではチームで行うことが増えているのである。それだけ人気インフルエンサーであり続けるのは大変だともいえるし、継続して高いクオリティの発信を続けることが難しいことがわかる。チーム化したインフルエンサーからは、企業側も学ぶことが多いのではないだろうか。

 企業のために個人にSNSを運営させるなら、そのメリットを享受しようとするだけでなく、サステナブルに続けるための体制も必要だ。

 せっかく、企業がバックアップしてインフルエンサーをつくるなら、個人SNSの利点を搾取して企業のパワーに変換していくような活動ではなく、チームだからできることを取り組み、組織の利点を生かして、今までにない個人SNSというメディアを育てていってほしいと、ひとりのインフルエンサーとして思う。
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