行動経済学で理解するマーケティング最新事情 #21

問題を先送りしがちな人が、失っている大切なものとは?

 

「双曲割引」から抜け出すには?


 双曲割引から逃れるには、「今すぐ得られる快感」という錯覚から目を覚ますしかありません。5%引きと10%引き、どちらが得かと言えば「10%」なのです。苦しい自己変化はいつやるのか…「今でしょ!?」。すいません、これは言いたかっただけです。

 そのためには、脳に「先延ばしにせず取り組んだ成果」を認識してもらう必要があると考えます。具体的に言えば「記録」です。見える化を率先して「ちょっと我慢すれば確実に良いことを体験できる」と自分自身に学習させるのです。

 私の場合、「巨人の肩に乗る作戦」のアウトプットとしてnoteを書いたり、書籍にまとめたり、とにかく「必ず文章として残す」ことを心がけています。下世話な話ですが多少なりとも印税が出たり、あるいは名前が知られて副業の範囲が広がったり、「良いことが起きる」と脳を説得することに成功しました。



 なんだ、結局は努力が必要なのか。そんな声が聞こえてきそうです。他にも選択肢はあるのでしょうが、私にはこれが向いていました。

 冒頭に紹介した「5月には完全にバテてしまい、心身に異常をきたした経験」の後、どうせ努力しなければならないなら、短期集中ではなく、無理せず続けられる努力を目指そうと考えを改めました。努力は無理してやるものではなく、自然体でいつでもやれるように。「鬼滅の刃」風に言えば、全集中の呼吸・常中という感じでしょうか。

 とにもかくにも、5月に入って少し疲れている方は、まずは「疲れていること」を自覚し、無理をしていることに気付いた後に「どうせやるなら…」と無理の無い範囲で、双曲割引から抜け出す努力に挑戦しても良いのかもしれません。
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