SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #35

トレンド観察している場合じゃない!若者世代から学ぶ、現代における「情報の読み方」

 

若者世代の情報収集は、現代に最適化されて高度


 他にも、こんなZ世代の意見が記載されている記事を見つけた。
 
「SNSではいいね数などが多い投稿から順に表示されます。そのためすてきだと思った画像が実は数年前のもののこともあってタイムリーでないため、公式情報のほうが信頼できます。収入を得るためにSNSに情報を載せている人も多いので、その情報が本当なのか判断しづらいです」
引用:「Z世代マーケ」がスルーされる理由 Z内の“3世代”本音座談会

「SDGsに配慮している商品も実情はわからないので、闇雲にSDGsに配慮した新しい商品を購入せず、いつも購入しているものを長く使うように意識している」「SDGsは商品のアピールにもなるので、プロモーションに利用されているのでは?と考えることがある」
引用:「SHIBUYA109 lab.」

 1つ目のセリフから察するに、若者世代は情報の真偽を疑うフィルターを持ちながら、SNSのアルゴリズムを理解した上で複数のソースを参照して、確からしい情報にたどり着いている。かなり高度な振る舞いだ。
 
 2つ目の発言も、良い活動だとすぐに判断しがちなSDGsについても、発信された情報の正当性を鑑みた発言をしている。

 冒頭で話をしたタイパのために、映像作品を倍速で見るという視聴態度も、テレビ番組だけではなく、サブスクリプション動画サービスで配信しているドラマやアニメといった膨大な情報を効率よく取得するための合理的な態度と言えるだろう。


 

現代の情報はトリッキー。達人を見習って上手に情報に触れたい


 現代の情報はトリッキーだ。ステマ、フェイクニュース、ディープフェイク、アルゴリズムによる思想誘導まで様々だ。そんな時代に生まれた若者は、そうした行動を誘導しようとしてくる情報に煽られないよう、高度な防衛フィルターを持っていると言えるだろう。
 
  • 情報のソースを確認する
  • 複数の異なる意見・情報を参照する
  • 情報の背景を常に疑い、真実が発信されているかを注意深く疑う

 ざっとあげるだけでも、若者世代の情報取得の態度は、参考になるものばかりだ。

 若者世代の情報取得について「最近のトレンドはそうなっているのか」と流し見するだけではなく、現代の情報過多社会を生きる達人の振る舞いとして、日々意識したいものである。
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