トップマーケターたちに聞く価値共創時代のマーケティング #01

ファミマ CMO 足立氏が語る、価値共創というレンズでみるマーケティング【Facebook Japan中村淳一氏 新連載】

 ソーシャルメディアの普及によって企業起点だけでなく、顧客による情報発信や評判形成、そして双方向のコミュニケーションを踏まえたマーケティング活動が重要だと言われている。そんな「価値共創」の時代に、マーケターはどう「価値」を定義し、顧客が価値だと感じる商品やサービスを提供できるのか。そして、どう顧客を巻き込み、一緒に協働していくべきか。Facebook Japan マーケティングサイエンス統括 執行役員の中村淳一氏がトップマーケターにインタビューし、そのヒントや考え方を解き明かしていく連載がスタート。

 第1回は、ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMOの足立光氏が登場。前半では、同社が2022年12月時点で16カ月連続既存店日商の前年越えを達成しているなど、好調の背景にある「話題化」の本質や、お客さまと企業との共創などについて話を聞いた。
 

「価値」とは、誰にとっての「価値」なのか


中村 まずは足立さんがマーケティングをどう捉えているか、から聞いていきたいと思います。足立さんは、P&Gでマーケティング職からスタートし、その後は経営を経験し、近年は再びマーケティング職に戻り、CMOを務めていますよね。これは、そうなるようにキャリアを意図的に設計したんですか。

足立 完全なる偶然で、意図したものではありません。そもそも、私はマーケティングは、ほぼ経営と同じだと捉えています。マーケティングは「4P(Product, Price, Place, Promotion)+C(Customer)」に携わることであり、その管轄範囲は「社長-(マイナス)バックオフィス」と言えます。そのため、マーケティングか、経営かにはあまり違いがないと思っているんですよ。
  
ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMO 兼 マーケティング本部長
足立 光 氏

中村 いま足立さんからマーケティングは「4P(Product, Price, Place, Promotion)+C(Customer)」という話がありましたが、多くのマーケターはまず4Pから考えるため、Cへの意識が抜けているような気がしています。昨年12月に開催された次世代を担うマーケターが集まるカンファレンス「ライジングアジェンダ2022」でも「価値」とは、「誰にとっての価値なのか」という話が出ました。足立さんは、顧客と価値の関係について、どう考えていますか。
  
Facebook Japan マーケティングサイエンス統括 執行役員
中村 淳一 氏

足立 企業としては、お客さまに「価値」だと感じてもらえるであろうということを提案し続けるだけです。そして、それを「価値」として感じてもらえるかどうかは、お客さま次第です。つまり、企業が提案・提供するものやサービスに対して、お客さまに認めて頂いて、対価をお支払い頂いて、初めて価値になるんです。

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