トップマーケターたちに聞く価値共創時代のマーケティング #02

ファミマ足立氏でも勝率は3割、大事なのは挑戦して経験値を蓄積すること【価値共創時代のマーケティング】

前回の記事:
ファミマ CMO 足立氏が語る、価値共創というレンズでみるマーケティング【Facebook Japan中村淳一氏 新連載】
 ソーシャルメディアの発達により、企業からの情報発信だけでなく、顧客による情報発信や評判形成、企業と顧客の双方向的なコミュニケーションも重要だと言われる時代。そんな「価値共創」の時代に、マーケターはどう「価値」を定義し、顧客が「価値」と感じる商品やサービスを提供していくのか、巻き込みや協働を含め「価値」へアプローチしていくのか。そして、「価値共創」という概念をどのようにマーケティングの実務に落とし込んでいくのか。Facebook Japan マーケティングサイエンス統括 執行役員の中村淳一氏が、トップマーケターにインタビューし、そのヒントや考え方を解き明かしていく連載。

 第1回は、ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMOの足立光氏が登場する。前編 では、足立氏が実践する「話題化」やお客さまと企業との共創について聞いた。後編では、今回の連載のテーマでもある価値共創のマーケティングとお客さまの行動までを考えた施策の実行と足立氏のユーモアあふれる施策の裏側について聞いた。
 

どのように話題にしてほしいかを先に決める


中村 具体的に、どのように価値の共創に取り組んでいますでしょうか。

足立 我々は商品やサービスを発売するときに、お客さまにどのように話題にしてほしいかを先に決めて施策を考えるようにしています。たとえば、「こういう言葉でツイートしてほしいよね」「こんな記事が出てほしいよね」など、記事のタイトルまでも詳細に決めるんです。それを明確にすることで、そこに向かうためのPRやソーシャルメディアの打ち出しができるわけです。
  
ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMO 兼 マーケティング本部長
足立 光 氏

中村 それは、まさに価値の共創ですね。

足立 実は我々は、広告費が競合に比べてすごく少ないんです。2022年上期で言えば、競合の半分、あるいは4分の1の広告費です。でも、「ファミマ・ザ・クリームパン」を筆頭に、話題量は競合よりも多そうな感じがしませんか。

中村 確かに話題になっていた記憶があります。

足立 それは、お客さまに話題にしていただけるからなんですよ。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録