いまの学生が考えるマーケティングとは?

マーケティングは、今でも人気の学問領域なのか?【大学生×ピップグループCMO久保田氏 座談会】

 

マーケティングを学ぶZ世代が考える将来像


――皆さんは今後、就職活動を行っていくと思います。就職先については、どのように考えていますか。

布野 この2年間、私はずっとマーケティングに打ち込んできて好きになったので、就職してからもその熱を消さずに、もっと極めていきたいと考えています。現時点では、最終的にマーケティングを仕事にできることが一番の理想だと思っています。
  
マーケティングを仕事にしたいと話す布野氏

久保田 学生にそう言ってもらえるのは嬉しいですね。マーケティングは思い通りにならないことが9割なので、当然苦しいと思うことも多くあると思います。でも、1割の喜びがあるんです。

事業主のマーケターとして何らかのブランドを担当すると誰もが言うことは、「自分の子どものようだ」ということです。商品やサービスをゼロからつくり、何度も失敗しながら試行錯誤してようやくブランドができあがる。その子がだんだんと街中に溢れていくと、「よく成長してくれていい子だ」という感覚になるんです。少しずつ自分が携わっているブランドが世の中に知られるようになり、その中で仕事ができることほど、楽しいことはないと思っています。
  
マーケティングの仕事の面白さについて語る久保田氏

齋藤 私はもともと食べることが好きなので、「食」を通して感動を届けられるような仕事がしたいと思っています。特に好きなのはビールで、バイト終わりに飲んだときの爽快感がたまらないんです(笑)。また、夏の暑いときに飲むビールもいいなと思います。このように、同じ商品でも場面によって違う感動があるので、そういったことを伝えられる職業に就きたいなと思っています。

最近、結婚式やお葬式に出席する機会があったのですが、普段の生活だけでなく冠婚葬祭などの特別なシーンでも、ビールが文化として根付いていると気づき感動しました。その影響もあり、余計にそういう商品のブランドをつくれる人になりたいと思うようになりましたね。
  
「食」を通して感動を届けたいと語る齋藤氏

久保田 それはいいエピソードですね。単に好きだと言うことは誰にでもできますが、なぜ好きなのかを突き詰めて考えると自分だけのストーリーができるので、それを面接のときにしっかりと伝えられるといいですね。齋藤さんは、すでにその答えを持っているので本当に優秀だなと思います。

水谷 私は自分の知らない事を学ぶことが好きです。たとえば、小説だと自分の知らない感情や考えを知ることができるのが面白いなと思っています。そのため、調査や分析をして新しいことを知り、それらの発見を活かして誰かを喜ばせたいと思っています。マーケターもそのひとつの選択肢であると考えています。
 

マーケティングは就職活動だけでなく、人生で役立つ


――これまで学んできたマーケティングは、就活にも役立ちそうだと思いますか。

齋藤 はい。もちろん役立つと思います。

水谷 今後、生きていくうえで、自分をブランディングするという面でも役立つと思いますね。
  
マーケティングは人生でも役立つと語る水谷氏

齋藤 また、マーケティングを通して論理的に考える力が身につくので、それが普段の生活の中でも役立っていくと思います。

布野 私たちの身近な例で言えば、我々が所属しているマーケティング研究会に新入生を勧誘するときにもマーケティングの考え方を使っていると思います。どのような新入生をターゲットにし、どのSNSを使えば効果的にアピールできるのかなどを考えます。

マーケティング研究会では、大会などを目指す体育会系のサークルなどと異なり集まる目的が曖昧になりがちです。そのため、私たちが学んできたマーケティングを実践することができる機会を見つけ、そこでターゲットをしっかりと定め、そこに向けたメッセージを伝えていかなければいけないと思いますね。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録