鹿毛康司、モダンエルダーを目指す #01
モダンエルダーを目指す鹿毛康司、若手人気ライターりょかちと対談「若者とタッグを組むと凄いことが起きる」
2023/06/14
「モダンエルダー」という言葉を知っていますか? 若者に耳を傾けて新しいことを受け入れながら、エルダーとしての力も発揮する「職場の賢者」のことを指します。日本を代表するマーケターであり、クリエイティブディレクターでもある鹿毛康司氏がモダンエルダーを目指して、様々な若手にインタビューしていく企画が始まります。
鹿毛氏は、「過去うまくいったことも、今ではうまくいかないことがあります。自分としては、思考能力はまだまだ大丈夫だと思っている一方で、時代との何らかのズレを修正し続けなければいけないと、恐怖を感じているんですよ」と語ります。本連載では「若者に教えてもらう」をテーマに、時代とビジネスの勘どころを探っていきます。
第1回は、若者世代の動向に詳しい人気ライターである、りょかち氏が登場します。日頃から、どのように若者世代の情報を集めてトレンドを察知しているのか、また、情報に対する感度を上げるためには何が必要になるのかを探りました。
鹿毛氏は、「過去うまくいったことも、今ではうまくいかないことがあります。自分としては、思考能力はまだまだ大丈夫だと思っている一方で、時代との何らかのズレを修正し続けなければいけないと、恐怖を感じているんですよ」と語ります。本連載では「若者に教えてもらう」をテーマに、時代とビジネスの勘どころを探っていきます。
第1回は、若者世代の動向に詳しい人気ライターである、りょかち氏が登場します。日頃から、どのように若者世代の情報を集めてトレンドを察知しているのか、また、情報に対する感度を上げるためには何が必要になるのかを探りました。
流行を発見したら、自分でも実践してみる
鹿毛 こんにちは。連載の初回に、りょかちさんにお声がけさせていただいたのは、りょかちさんの「時代に対する感度」が非常に高いと思ったからなんです。りょかちさんの書いた記事(りょかち氏の連載は、こちら)を読んで、「何だ、この時代へのキャッチアップと言語化能力は!」と驚きました。どうしてもお話させてもらいたかったんですよ。
りょかち ありがとうございます。恐縮です…。
鹿毛 マーケターという存在は、勉強しなければ、やばい人になってしまいます。実務者としての能力がどんどん低下していくわけです。
それなのに歳を重ねると、評論家としてコメントなんかを求められたりするので、したり顔で「最近の情報量は700倍になりました」なんて解説してしまう。そうやって世の中の「老害」ができあがるんですよ。あ、それ私のことなんですけどね(笑)。
そういう老害になりかけている私に喝を入れてくれるのが、りょかちさんの文章なんですよ。
鹿毛 康司氏
かげこうじ事務所 代表
マーケター クリエイティブディレクター
2020年、エステー クリエイティブディレクター(役員)を退任して現在にいたる。
早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA。現在はエステー、森永乳業、保険会社、塾会社など様々な企業のマーケティングとクリエイティブの支援をおこなっている。同時にグロービス経営大学院(MBA)教授として社会人学生にマーケティングを指導。2021年には著書「心がわかるとモノが売れる」で、マーケティングに必要なインサイトと人間理解論を実務家の視点で発表した。マーケティング立案、特に時代に新しいコンテンツマーケティングやファンマーケティングも得意とする。クリエイターとしてもCMプランナー/監督/コピーライター/作詞作曲などもこなす。2011年の東日本大震災直後に手がけた「消臭力CM」は好感度日本1位を獲得)。ACC Gold、マーケターオブザイヤー(MCEI)、WEB人貢献賞など受賞。
かげこうじ事務所 代表
マーケター クリエイティブディレクター
2020年、エステー クリエイティブディレクター(役員)を退任して現在にいたる。
早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA。現在はエステー、森永乳業、保険会社、塾会社など様々な企業のマーケティングとクリエイティブの支援をおこなっている。同時にグロービス経営大学院(MBA)教授として社会人学生にマーケティングを指導。2021年には著書「心がわかるとモノが売れる」で、マーケティングに必要なインサイトと人間理解論を実務家の視点で発表した。マーケティング立案、特に時代に新しいコンテンツマーケティングやファンマーケティングも得意とする。クリエイターとしてもCMプランナー/監督/コピーライター/作詞作曲などもこなす。2011年の東日本大震災直後に手がけた「消臭力CM」は好感度日本1位を獲得)。ACC Gold、マーケターオブザイヤー(MCEI)、WEB人貢献賞など受賞。
りょかち 恐れ入ります。私が若者に焦点を当てた文章を書くモチベーションは、若者論の記事が出ると「若者は宇宙人だ」や「我われとは違う存在だから」と、一線をひかれる方々がいらっしゃるからなんです。私が思うに、別の存在というほど変わらないと思うんですが。ただ、若い人は現状の変化に最適化しているわけです。なので、それを「全く違う存在だから」と切り捨てずに、まずは受け入れてほしいという思いで記事を書いています。鹿毛さんの周りでも、一線を引く人は多いですか。
りょかち
1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。学生時代より、ライターとして各種ウェブメディアで執筆。新卒でLINE株式会社に入社し、アプリやWEBサービスの企画開発・コンテンツマーケティングに従事した後、独立。キャリアSNS『YOUTRUST』にて運営中のユートラ編集部・編集長を担当し、現在では、若者やインターネット文化についてのコラムのみならず、エッセイ・脚本・コピー制作を行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)、『恋が生まれたこの街で』(KADOKAWA刊)。ツイッター: @ryokachii
1992年生まれ。京都府出身。神戸大学卒。学生時代より、ライターとして各種ウェブメディアで執筆。新卒でLINE株式会社に入社し、アプリやWEBサービスの企画開発・コンテンツマーケティングに従事した後、独立。キャリアSNS『YOUTRUST』にて運営中のユートラ編集部・編集長を担当し、現在では、若者やインターネット文化についてのコラムのみならず、エッセイ・脚本・コピー制作を行う。著書に『インカメ越しのネット世界』(幻冬舎刊)、『恋が生まれたこの街で』(KADOKAWA刊)。ツイッター: @ryokachii
鹿毛 多いですね。私がマーケティングを教えている社会人大学には、30~40代のビジネスパーソンが通っています。その多くが、例えば、TwitterやInstagramを使っていないんですよ。理由を聞いてみても、Twitterは「嘘しか書いていないですから」や「人のつぶやきを見ても、何も参考になりませんから」と言って触ろうともしない。でも、そういう人がマーケティング担当者としてSNSで拡散させる企画をしているというので、よくよく聞いてみたら、その筋の会社に丸投げしていたりします。
りょかち 30代以上の人のSNSへの認識は、今でもそんな感じなんですね。やっぱり、まずは使ってみてほしいなと思います。そこには、時代の変化や動きがたくさんあって、とても役に立つと思います。特にマーケターの方々には面白がってもらえるんじゃないかと。
鹿毛 私は、私なりにSNSでキーワード検索をするなど、いろんな角度で分析することをタスクにしてきました。ところが、りょかちさんが記事で書いているような変化を自分ではなかなか抽出できないし、言語化もできないんですよ。そもそもSNSにはアルゴリズムが存在するので、見ている投稿もどうしても偏ってしまいます。りょかちさんは、どのようにSNS分析をしているのですか? 秘密を教えてください。
りょかち 私は“りょかち”として運用しているアカウント以外にも複数「裏アカ」を持っていて、興味がある特定のクラスタの人をどんどんフォローして常に見ていますね。裏アカというのは、誰もそれが私だとは知らないアカウントのことです。それでフォローしている人の中で流行りだしたものがあれば、自分で実践してみます。