鹿毛康司、モダンエルダーを目指す #01

モダンエルダーを目指す鹿毛康司、若手人気ライターりょかちと対談「若者とタッグを組むと凄いことが起きる」

 

「裏アカ」で全てが見える




鹿毛 やっぱり、ただの天才ではないんだな。汗をかいて、努力しているんですね。ところでりょかちさんは、裏アカを何アカウント持っているんですか?

りょかち Twitterは、10アカウントを持っています。10個までしか登録できないので、

鹿毛 10個も持っているのですね。たくさんアカウントを持つことで、何が起きるのでしょうか?

りょかち 2つ意味があります。ひとつ目はTwitterもInstagramもひとつのアカウントのタイムラインを見ているだけだと、それが世の中の全てだと思ってしまうんです。裏アカではオフィシャルのアカウントではフォローしていない人もどんどんフォローして、その人がどういう生態なのかを見ることで、違う世界に触れられます。

もうひとつは、小学校からずっとSNSを使っている若者世代は、アカウントを複数持って使い分けるのが当たり前なのです(https://shibuya109lab.jp/article/230329.html )。複数アカウントを持つことを不思議がる人もいますが、それはSNSが普及したのが約10年前だからです。

30代半ば以上の人は、自分が社会人になってからしかSNSで人とつながったことがないのですが、若者世代のように小学校からSNSを使っていると、成長するに従って自分が変化していくので、ひとつのアカウントでは居心地が悪くなるんです。たとえば、社会人になった今、中学の同級生とつながっているアカウントを持っていたとして、そこで何を話せばいいかわからないじゃないですか。

鹿毛 たしかに、中学校の同窓会で仕事の話は一切しないなぁ。仕事の話をしないアカウントや、楽しいことだけを発信するアカウントなど、自分でも使い分けていますね。ただ10個も20個も人格を分けることは私にはできない。いったいどんな感覚なんでしょうね。

りょかち 学年が上がるごとにアカウントを変えている子も多いですし、特にInstagramでは「見せたい自分」を強く持っている人が多いので、オフィシャルなアカウントと、裏アカウントを分けている人もいます。

Instagramはさらに、同じアカウントの中でも、storiesの「したとも(親しい友達)」機能を使って親しい友だちだけへの発信も当たり前になっていますね。いろいろな人とのつながりの中で、自分を使い分けることが当たり前になっているんです。
  

鹿毛 「したとも」と言うんですね。私も使おう! しかし、そんなにアカウントを使い分けていて、疲れないんですかね。

りょかち いえ、むしろ使い分けることで楽になります。たとえば中学校の頃の友だちとつながっているアカウントで仕事の話をして「あいつ調子に乗ってる、って思われたらどうしよう」とか、そういうことを気にするほうが疲れます。

鹿毛 なるほど。我々エルダーも飲み会に行く時、その場の空気を考えて人を選びますよね。「今日はバカバカしい話を楽しみたいから、仲の良い人とだけ飲みに行こう」、「仕事を前に進めたいから、今日はあいつを外して、あいつを誘おうか」など、きちんとコントロールしてますよね。それと一緒なのかもしれませんね。

りょかち きっと同じだと思います。「こういうことをテーマにしたツイートにしたいから、こういう人たちのグループをつくろう」という感じです。

鹿毛 我われエルダーが昔からリアルで自然にやってきたことを、若者たちはSNSという世界でいとも簡単にやっているということですね。若者は若者で楽しんでいるんだなあ(笑)。

りょかち そうですね。いいねも押してもらえるし(笑)。

鹿毛 りょかちは、たくさんの裏アカを毎日全部チェックするんですか。どれくらいの時間をかけているんでしょうか?

りょかち はい。毎日朝起きてから、まずひと通りチェックします。それ以外の時間も、何らかの通知が来ていたら、それを開いて見ますし。1回に30分くらいでしょうか。でも、常に見ていますよ。PCが2台あるので、1台で仕事をしながら、もう1台で常にTwitterやInstagramを開いています。

鹿毛 もうその世界の中に、入り込んで生きている感じですね。SNSに入り込んでいるりょかちは、自分を「動物」に例えると、何になっていると思います?

りょかち ウサギでしょうか。私がいろいろな情報を見るのは、サバイブするためなんです。これが流行っているなら、こっちに乗って環境に適応していかなきゃって。
  

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