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「マーケティングと営業の連携」を阻む意外な“壁”の存在とは?その実態を暴く調査レポートを徹底分析

 

部門間連携の悪さと悩みの深さの両方あるマーケティング系部門


 前述の部門間連携の実態を業務別(※)にクロス集計すると、全体の70%を占める「連携できていない/または限定的」の回答者属性は、「広告宣伝・販促」「調査・リサーチ」「営業・営業企画」 の順に多く見られました。※業務は複数回答

▼部門間の業務連携状況(回答者の業務別)
 

 次は部門間連携の悩みの中でも、「とても悩んでいる」「悩んでいる」を合わせた、悩みの深さに注目して業務別にクロス集計すると、「システム管理・導入」「サイト運営・管理」が上位に浮上し、その次に「広告宣伝・販促」「調査・リサーチ」が続きます。

▼部門間連携の悩みの度合い(回答者の業務別)



 上記の2点の事実を、私なりに少し強引にまとめると、以下のように解釈できます。

・営業系部門は、部門間連携は悪いものの、それほど深くは悩んでいない
・システム系部門は、部門間連携がそれほど悪くないものの、悩みは深い
・マーケティング系部門は、部門間連携の悪さと、悩みの深さの両方が見られる

 営業は基本的には横断系の部門から依頼される(動かされる)側であることが多く、他の部門に協力を仰いで動いてもらうような、対社内の気苦労が比較的少ないです。それに対し、システム系部門、マーケティング系部門は、俯瞰的・横断的にさまざまな部署に協力を呼びかけ、動かす必要がある点から、悩みがより深いのではないかと推察されます。

 ちなみに、システム系部門は業務の性質上、部門間連携が大前提という共通認識の元、ある種のワークフロー的な「型」が連携の品質を担保していると考えられます。また、マーケティング系部門は、スポットのキャンペーンなどでは連携のタイミングや協力の求め方が分かりやすいですが、基本的に固定の連携フォーマットは存在しない、という点が辛いところなのだろうと身に沁みて思うところです。
 

「マーケティングと営業の壁」をもたらす真の原因とは?


 調査レポートはさらに、「どの部門間の連携に課題があるか(上位2つ回答)」という「マーケティングと営業の壁」に対して、少し突っ込んだ問題で深く問いかけていきます。まずは、単純集計されたグラフを紹介します。

▼どの部門間の連携に課題があるか(上位2つ回答)



 まずここで上位に挙がるのは、「経営企画系と現場(マーケティングや営業)」「マーケティング系とプロダクト開発系」でした。ただし、この設問ではマーケティングという幅広い解釈のある部門が、3系統に分類されていますので、それら3つのマーケティング系部門と営業の課題をひとつに括ると、全体の38%となりトップとなります。

 マーケティング系の3分類と営業の中では、「商品・サービス企画と営業」の連携に最も課題があり、一方で昨今注目されている「BtoBリード獲得・ナーチャリングと営業」の連携は、相対的に課題が小さいという結果になっています。また、「マーケティング→営業」の次のプロセスに当たる「営業とCS(カスタマーサポート・カスタマーサクセス)」の連携も、同じように課題は小さいという点は、私として意外な結果でした。

 では次に、「マーケティング→営業→CS」のプロセスに該当する業務である「広告宣伝・販促」「営業・営業企画」「カスタマーサービス」の回答者別に、どの部門間に課題があるかをクロス集計で見てみましょう。

▼どの部門間の連携に課題があるか(上位2つ回答/回答者の特定の業務別)









「広告宣伝・販促」、「営業・営業企画」の担当者は、互いの部門間の連携以上に、「経営企画・事業戦略系の部門と現場部門(マーケティングや営業)に課題がある」を最も多く指摘しています。一方、「経営企画」の担当者も同様に「経営企画・事業戦略系の部門と現場部門(マーケティングや営業)に課題がある」が最も多かったことから、いわゆる「マーケティングと営業の壁」をもたらす要因として、「経営企画と現場の壁」が存在しているという仮説が立てられます。

「経営企画」という役割は企業によってさまざまですし、人数も少ない部門ということもあり、読み解き方には注意が必要ですが、「経営企画=上位の戦略」と捉えるとどうでしょうか。これは調査レポート冒頭の「部門間連携の実態」にて、【部門間の連携マインドは高いが、戦略・KPI・システム面等の環境が整っていない(1ページ目の結果)】が多くを占めた点と、符合してくる気がしてなりません。

 つまり、「マーケティングと営業の壁」とは、単純に仲が悪いという話ではなく、それら並列セクションの上位概念に当たる「経営企画」のような、ある種の「環境」との齟齬が起きています。

 たとえば、経営戦略として、とある新方針が示されたとしても、関係する複数の現場部門が従前のKPIから変わっていなければ、新方針に則して緊密に関連することが難しくなります。また、新方針が大々的に打ち出されたにも関わらず、実際にその推進に従事するために用意された部門や人員はごく少数、という事態も起こりがちです。

 結果として、マーケティングと営業も上手く連携できていない、ということを示唆しているのではないでしょうか。

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