トップマーケターたちに聞く価値共創時代のマーケティング #06

現代のマーケターが知るべき若者の消費傾向、キーワードは「共創」「参加」「体験」「界隈」【SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣氏】

 

企業のSNS活用はきれいすぎる


中村 キーワードとしてSNSが多く出てきていますが、改めて若者にとってSNSの役割とは何なのでしょうか。

長田 基本的には、情報収集やコミュニケーションです。絶対に失敗したくないので、買い物の精度を高めるためにいろいろな人の意見をたくさん収集する場であり、映えや世界観を再現して周囲の人とのコミュニケーションをとる場でもあります。

それぞれのプラットフォームによって見ている情報が異なるので、オタ活についてはTwitter、カフェについてはInstagramで検索など、使い分けています。写真や動画を通して世界観をしっかりと再現し、自分のアカウントの中にも取り入れて周りの人とコミュニケーションをどんどんとつくっていき、同じ世界観が好きな人と繋がるためにSNSを活用していますね。

中村 では、企業はSNSをどのように活用するのがいいのでしょうか。
  

長田 直接コミュニケーションするというよりも、その商品やサービスを介してコミュニケーションしたくなるネタを提供してあげるというイメージですね。少し前に「地球グミ」が若者に流行したのは、プラスチックの容器を歯でカチッと噛んで開けるという行為を再現したいからでした。なので、真似したくなる、参加したくなる要素をつくることがポイントだと思います。

中村
 若者に真似や参加してもらうために、企業がある程度テンプレートをつくってあげることには意味があるのでしょうか。

長田 はい、あります。特に起承転結というストーリーをつくるのは、企業ではなくクリエイターのほうが馴染みやすいかもしれないですね。企業のつくった起承転結は、きれいすぎるのでリアルじゃないんです。そこを通訳してくれるのが、クリエイターの役割です。

中村 なるほど、面白いです。企業は、自社の商品やサービスを介したコミュニケーションをしてくれるクリエイターを見つけることが大事ですね。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録