トップマーケターたちに聞く価値共創時代のマーケティング #07

熱烈ファンの多い『機動戦士ガンダム』から読み解く、マーケティングに価値共創が重要な理由【クー・マーケティング・カンパニー 音部大輔氏】

前回の記事:
現代のマーケターが知るべき若者の消費傾向、キーワードは「共創」「参加」「体験」「界隈」【SHIBUYA109 lab.所長 長田麻衣氏】
 ソーシャルメディアの普及や発達により、企業からだけでなく、顧客による情報発信や評判形成、双方向のコミュニケーションを踏まえたマーケティング活動が重要になっている。そんな「価値共創」の時代に、マーケターは価値をどう定義し、マーケティングの実務に落とし込んでいくのか。本連載では、Facebook Japan マーケティングサイエンス統括 執行役員の中村淳一氏がトップマーケターにインタビューし、そのヒントや考え方を解き明かしていく。

 第4回は、P&Gを経て、ユニリーバ、日産自動車、資生堂など数々の企業でマーケティングVPやCMOなどとしてマーケティング組織改革を実行してきた、クー・マーケティング・カンパニー 代表の音部大輔氏が登場する。Agenda noteでは、マーケティングの現場で悩んでいるマーケターからの質問に音部氏が答える「音部で『壁打ち』」を連載しており、2023年4月にその内容を大幅に加筆して著書『マーケティングの扉 経験を知識に変える一問一答』(日経BP)を発売。前編では、その書籍の内容から『機動戦士ガンダム』が多くのファンから愛される理由と、そこから考える価値共創についての話を詳しく聞いた。
 

「音部で『壁打ち』」の読者が読んでも楽しめる『マーケティングの扉』


中村 本日は、音部さんが考える「価値共創」についてお聞きしていきたいと思います。まずは、音部さんのご経歴からお聞きできますか。

音部 P&Gで17年ほどマーケティングを経験し、その後、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、日産自動車、資生堂を経て、現在は独立してマーケティングのコンサルテーションを行っています。このマーケティング界隈では珍しく、常にスーツを着ています。今日は着ていないですけれど(笑)。
 
クー・マーケティング・カンパニー / 代表
音部 大輔 氏

P&Gジャパン、マーケティング本部に17年間在籍し、ブランドマネジャー、マーケティングディレクターとしてアリエール、ファブリーズ、アテント、パンパースなどのブランドを担当し、市場創造やシェアの回復を実現。のちにUS本社チームでイノベーションの知識開発をマーケティングとして主導。帰国後、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、日産自動車、資生堂など多様な文化背景、製品分野で、複数ブランド群を成長させるブランドマネジメント、組織構築、人材育成を指揮。2018年より現職。博士(経営学 神戸大学)

中村 たしかに音部さんは常にスーツのイメージです(笑)。今年4月に『マーケティングの扉 経験を知識に変える一問一答』(日経BP)を出版されました。これはどのような経緯で出版されたのですか。
 
『マーケティングの扉 経験を知識に変える一問一答』(日経BP)好評発売中

音部 5年ほど前にAgenda noteから連載をやりませんかという話をもらいました。毎回、ネタを考えるのは大変だから読者の質問に答える形でやろうとスタートしたのが、「音部で『壁打ち』」です。そのコンテンツがある程度溜まってきたから書籍にしようと、出版に至りました。

ただ、いざ書籍の体裁にしてみたら文字数が足りなかったので、追加で40問くらいの質問に答えました。つまり倍になっています。連載の読者にとっても新しい発見ができる一冊になっています。

中村
 私も読ませてもらいましたが、一問一答形式なので読みやすかったです。それに、音部さんが新人の頃の話などにも言及されているので、音部さんの人柄がより感じられる書籍になっていると思いました。

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