バレンタイン特別対談 #02
同業他社をどう見る? ブラックサンダーとメリー 人材育成からサステナブルまで互いのスタンスを深掘り【バレンタイン特別対談】
いつか決勝で出会うかも?
――同業他社については、どのように分析されているのですか。
高田 メリーはいわゆる贈答用チョコが主軸なので、その中での競合は当然意識しています。新しい商品が出てくればみんなでチェックして、なぜその商品を出したのか、背景となる目的や消費者動向を議論し、市場の中で自社が一番戦いやすいポジションを常に考えています。
価格の面でも、特に2022~23年くらいは原材料の高騰によって、全体として商品単価が上がってきていましたから、同業ではどこが最初に値上げをするか、自社はいつからやるべきかなど、悩みながら考えていました。
チョコレート菓子のブランド戦略に長年携わってきた経験から実感していますが、新商品の出現によって市場のパワーバランスが変わったり、自社商品の売り上げが激減したり、逆に激増したりということは、本当によくあることです。だからこそ、そこに敏感でいないと、「なんでこうなっているんだろう」などと悩んでいる間に、気づくと我々の行くべき道筋が絶たれていたなどということもあります。反対に、こちらが先回りして、出る杭が出るスペースを無くしておくという戦略も取らざるを得ない。
同じ市場で戦う企業は、一緒に市場を盛り立てていく仲間であると同時に、シェアを奪い合う競合でもある。常に自分たちの存在感を上げて、お客さまに理解していただけるように生き残る努力を続けないといけません。
河合 我々くらいの規模の会社だからかもしれませんが、最近はあまり競合・ライバルという感覚で周りを見なくなりました。自分たちの商品が良ければ売れるし、ダメなら売れない。自分たちの中で、いかに世の中の流れを捉えて、価値提供できるかを重視しています。
もちろん他社さんがものすごくいい商品を出したときは、なぜこんなにお客さんが価値を感じているのか、今のお客さまの価値観はどうなっているのか、注目します。そこで得られた知見を、自社商品にフィードバックして、どういう価値提供をしたら、たとえば家でスマホを見ている消費者が、わざわざ大切な時間を割いて「買い物に行こう」と思ってくれるかを考えます。それはこの市場全体を盛り上げるという意味でも大事だと思っています。売り場に来てくれれば、あとは、我々の商品が良ければ買っていただけるし、悪ければ買っていただけない。そんな感覚で捉えていますね。
高田 有楽製菓さんは、贈答用であるメリーからすると、隣のグラウンドで試合をされているイメージです。ただ、ロッテで「コアラのマーチ」を担当していた頃は、100%ライバルでした。本当に注目していましたよ。
河合 本当ですか、ありがとうございます!
高田 いつか決勝で出会うかもしれない。
河合 何の決勝でしょうね(笑)