バレンタイン特別対談 #02

同業他社をどう見る? ブラックサンダーとメリー 人材育成からサステナブルまで互いのスタンスを深掘り【バレンタイン特別対談】

 

消費者とのコミュニケーションの中で


――チョコレートやバレンタインに限りませんが、ビジネスが地球環境などにかける負荷に、厳しい目が向けられるようになっています。企業の社会的責任が注目される今、マーケティングを担うお二方はそのことにどう向き合っていらっしゃいますか。

高田 催事に限らず、我々がビジネスをする中で、環境に迷惑をかけている部分はあります。たとえば当社が製造・販売する贈答用チョコレート商品は、そのほとんどでプラスチックのトレーが必要です。そうしないと、チョコの詰合せができませんが、積み重ねると結構な量になる。メリーとしてもロッテグループとしても、これら会社や工場で使う環境負荷の高い備品などについて、数値目標を設けて削減していく取り組みをしているところです。

河合
 我々のようなビジネスでは、日常的にある程度、大量の在庫を持っておかなければいけないところがあり、常に売り残してしまうリスクを抱えています。その中で、廃棄を減らしていくためには、今後問屋さんや小売店さんとも協力して、適切な在庫量をコントロールしていく必要があるでしょう。今がベストな状態とは思っていないので、変えていかねばいけません。

催事で大量生産・大量廃棄が発生する問題については、お店によってさまざまな事情がありますが、たとえばバレンタインフェアでは、数量を限定し、売り切れたらそこで終わりにするお店も出てきています。節分の恵方巻も、予約販売がかなり増えていますよね。売り切れたら「ごめんなさい、また来年よろしくお願いします」というコミュニケーションが、消費者と販売者の間で成立する世の中になっていけば、少しずつ廃棄問題は解消されるかもしれません。

ただ、難しいなと思うのは、たとえばお菓子のパッケージをプラスチックから紙に変えた場合、どうしても店頭での目立ち具合が他のプラスチックのパッケージと比べて劣ってしまい、手が伸びにくくなってしまうことがあるかもしれません。

社会に対していいことをしようとしても、そのメッセージがちゃんと届かないと、ビジネスとして継続できなくなる。それは真のサステナブルではないと思います。ここのバランスはすごく難しいですが、消費者とコミュニケーションをとりながら、うまく理解していただき、買ってもらえる流れをマーケティングの中で作れると、社会的意味のあることがどんどん、消費者にとっても価値のあることに変わっていけるのではと感じています。

――本日はありがとうございました。

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