最先端のマーケティング手法を探る~「VTuber」という新たなマーケティングの可能性~ #03
「VTuber」とのコラボキャンペーンの成功法則、キーワードは「二面性」と「親和性」
VTuberの「二面性」で高まるコンバージョン
当社タレントの最初のコラボレーションは、YouTubeでのゲーム配信でした。VTuberのコンテンツは基本的には歌の配信と雑談、そしてゲーム実況がメインなので、その実況者としてはじめて企業コラボしたのです。それが次第に「妖怪ウォッチ ぷにぷに」のような、人気ゲームとインゲームコラボという、より密なコラボをさせていただけるまでに変わってきて、商業施設や食品関係の企業様とのコラボは2022年から、ここ1~2年の間で特に加速している印象です。
こうした人気はVTuberが持つ特徴が大きな理由です。もちろん所属タレントのチャンネル登録者数が一定の水準を超え、影響力が高まってきたこともありますが、「ファンダム(熱心なファン集団)」に支えられていることが挙げられます。いわゆる大手として挙げられるようなIPにはインフルエンサーとしての機能は弱いため、コラボを宣伝する手段は公式のX(旧Twitter)くらいしかなく、依頼元の企業が費用をかけて宣伝しています。しかし、VTuberタレントには普段の配信によってファンとの接点もあるため、コラボする企業はインフルエンサー的な側面に価値を感じています。
加えて、これまでの事例でも紹介したように、VTuberタレントにはインフルエンサー性だけではなく、キャラクターIPとしての価値があることも認知されてきたからこそ、これまでのIPを使ったマーケティングとは異なるVTuberの二面性を活用した効果的なマーケティングが受けていると考えています。
ここからは、最近のコラボ事例を交えつつ紹介していきます。まず、アサヒ飲料の「ドデカミン」は「みんなdeホロライブを応援キャンペーン」という形でコラボをしました。期間内に販売本数が400万本を達成したらオリジナル楽曲をリリースするというものでしたが、想定していたよりも早く、わずか1カ月ほどで達成することができました。
“ぶっとんだテレビCM”で話題となっている日清食品の「カレーメシ」も、同様に楽曲のリリースをしたコラボです。これは商品パッケージなど、通常のコラボに加え当社にて制作したカレーメシの楽曲をバックにタレントがテレビCMに出演し、コンサートで歌い、それをライブ配信するといったものでした。
日清食品は何年も続けて同じIPを使う事例があまりありませんでしたが、当社とは2020年から3年連続のコラボとなりました。このように合わせ技のコラボで非常に高い効果が得られたことを評価いただいたと認識しています。
アプリゲーム「妖怪ウォッチぷにぷに」は2022年に続いて、2023年9月にも第2弾のコラボをしています。2022年のコラボのときはアプリランキングがもともと120位ぐらいだったものが、コラボ告知後3日目でダウンロード数ランキングが100位以上跳ね上がり、1桁台まで復活しました。売上も好調で、各種メディアにも記事で取り上げていただきましたね。
また、基本的にコラボは第1弾よりも第2弾のほうが売れにくいのですが、今回は第2弾コラボが第1弾を超える結果になりました。その結果から、2024年1月にも第3弾のコラボも行いましたね。