トップマーケターたちに聞く価値共創時代のマーケティング #17

Z世代を取り込むためのマーケティング戦略とは?FinT 代表取締役の大槻祐依氏が考える「文脈」の重要性

 

インサイトをもとにSNSマーケティングの全体を設計


中村 少し話が戻りますが、日本で貴社に依頼するクライアントはどのような業界で、どのような悩みを抱えてくることが多いんですか。

大槻 一番多いのは、化粧品や食品メーカーなど消費財です。また、SNSでの購買決定に役立つ20~30代をターゲットとした商品・サービスも支援しています。
  

私たちの強みは、ユーザーのインサイトが把握できるところです。Z世代は他の世代と感覚が少し違うので、その世代が持っている商品やサービスなどをSNSから拾い、クライアントに「Z世代はこう思っていますよ」「Z世代ではこのような使い方していますよ」と伝えています。

私たちは、若年層女性向けSNSメディア「Sucle」上でも調査でき、必要であれば定性インタビューも実施できます。そういったユーザーのインサイトを深掘りし、マーケティング戦略を設計できることが強みだと思います。

マーケティングは最終的に企業の売上や利益につながらないと意味がないと思います。そのためKPIとしては、大体が売上になるんです。ECや店頭などの施策に対して、売上にしっかりとフォーカスできるクライアントと取り組んでいますね。また、このほうがしっかりと効果が出るんです。仮にSNSのフォロワーを伸ばしましょうとなった場合でもやはり売上につながるロジックを合意していないと、一定期間にフォロワー を伸ばしても、我々への依頼が継続されなかったりしてしまうので。

中村 SNSのフォロワーを伸ばしても必ずしも売上につながるわけではないですよね。

大槻 そうですね 。そのため、私たちは全体設計をした上でSNSアカウントのポジショニングを含めて運用し、インフルエンサーマーケティングやキャンペーンに取り組んでいくクライアントさんばかりです。現在もSNSの運用は行っていますが、すべてを組みあわせて取り組むクライアントさんと売上や細かい目標を立てた上で、伴走していくパターンが多いです。

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